おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

「読売新聞」などで紹介いただきました

『くらべる時代 昭和と平成』ですが、おかげさまでいろいろご紹介いただいておりまして御礼も兼ねてご紹介します。まず「読売新聞」に取材していただきました。

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丁寧にお話聞いていただき嬉しい記事。写真は「くらべる時代」で訪れた岡村製作所の「いすの博物館」で撮っていただきました。

あと、いつも紹介していただく心のふるさと「散歩の達人」!

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こちらも心のふるさと「SPA!」!!

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それと「図書館ニュース」という図書館向けの新聞でも紹介くださりました。

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ラジオでは3月29日にCBCラジオの『丹野みどりのよりどりっ!!』の「みどりのさきどりっ」のコーナーに電話出演したところ、このように文字起こしの記事を作ってくださりありがたい限り。

僕が25歳のときにお仕事をお願いしてからおつきあいくださっている同じ「本作り」の先輩の石黒謙吾さんのラジオにも呼んでいただきました。

スキマから聴こえてくるラジオ~頭の中に引き出しを~第13回~|JFN PARK

ラジオは、4月25日に以前も呼んでいただいた以下の番組にも出演予定ですので、お時間と場所のタイミングがあいましたらお聞きください。

simple style -オヒルノオト-|JFN PARK

『くらべる時代 昭和と平成』に続く新作は『くらべる値段』と題して「同じものでも値段の異なる2つを撮影してその違いを説明する」というアプローチでがんばっています。こちらは8月発売予定で絶賛撮影中。ご期待ください。

というわけで、メディア紹介の御礼でした。今後も喜んでご協力しますので、メディアの方々お気軽のご連絡ください。出版社経由でも結構ですし、こちらまで直接メール(okataco@yahoo.co.jp)くださっても結構です。

「東京は外に出て初めて家賃に見合う場所となる」

昨日のブログに《会社と家の往復だけじゃ東京は元がとれない》と書いたのですが、これ『くらべる東西』に「東京1年生に伝えたい「東京の勘所」というコラムで詳しく書いていたので、以下に載せておきます。東京1年生が、東京を快適に生活できるほんの一助にでもなれば嬉しく思います。

東京の路線図と大阪の路線図を見比べると「東京の真ん中に皇居があることを意識する」ことは、東京という都市を理解する「勘所」だと気づくはずです。よく「東京の地下鉄はわかりづらい」といわれますが、この問題もこの勘所を知れば、理解が進むと思います。
 大阪の地下鉄というのは、路線図を見てもらえればわかるのですが、実に整然としています。碁盤の目のように規則正しく複数の路線が走っていて、とてもわかりやすい。これに対して東京の地下鉄は、同じ都心でも、駅が密集しているところがあると思えば、駅間が長いところもあってわかりにくい。こういった不規則さを理解するために意識したいのが皇居の存在。東京、昔の江戸は江戸城を中心に栄えていきますが、この江戸城が現在の皇居。つまり東京の中心には皇居があり、この地下には地下鉄は走っていません。東京の中心には地下鉄を通すことができない場所がある。もちろんクルマも通ることができない。この勘所を知るだけで、東京の地理に対する理解はだいぶ進むと思うのです。
 こういった「東京の勘所」というのは、他にもいろいろあります。
「東京は意外と歩ける」
 東京という大都会の「大」の部分に圧倒され、とかく東京は「大きいところ」と思いがちですが、そんなことはありません。銀座から東京など、電車に乗るより歩いたほうが早いというケースも少なくありませんし、新宿から渋谷なども1時間かかることなく歩くことができます。「意外と歩けるな」という意識がもてれば、地震などの災害時に電車が止まっても「じゃあ歩こうか」と心にゆとりができるはずです。
「東京の人は冷たいのではなく、緊張しているだけ」
 これは「私の東京物語」と題するコラム(『東京新聞』2016/3/27)で又吉直樹さんが書いていたフレーズなのですが、これも東京の勘所のひとつだと思います。実際、知らない人が突然声をかけてきても、あなたをあまり幸せにしない街でしょう。それを知ってる人たちは、どうしても緊張しているのだけれど、決してみんなが冷たいわけではないのです。
「東京は外に出て初めて家賃に見合う場所となる」
 私がこれから東京で暮らし始める人に伝えたい東京の勘所はこれです。東京というのは、あちこちを訪ね歩き、そこにあるコミュニティに参加してこそ価値がある。他より高い家賃を払う意味があると思うのです。好きな絵があれば、それが飾られた美術館がある。何か趣味ができれば、それを語り合うコミュニティがある。これが東京という大都市の大きなメリット。家の中にいるだけでは、東京の価値はわからない。外に出て、いっぱい歩きまわってください。

ちなみに、以下が東京の地下鉄路線図。中央の緑の部分が皇居です。「皇居」って書いておけばいいのに書いてあるものは少ない。でも、このように「何かある」と暗示してないものもありますのでこれはまだましなほう。

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こちらは大阪の地下鉄路線図。東京にくらべると整然としてますよね。

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ただ、東京の地下鉄は、慣れます。「赤坂見附と永田町なんって同じ駅じゃん!」なんてことにも、そのうち気付きますから、それほど怖がらなくても大丈夫。それよりも、「神楽坂と市ヶ谷って、地下鉄乗るより歩いたほうが早くない?」ってことは、歩かないと気づかない。東京はけっこう歩けます。それに歩いて楽しいし、いろいろ発見があるので、東京に慣れたい人はぜひ歩いてください。家から出て歩く歩く。これが東京を楽しむコツだと思いますよ。

❇︎東京と関西の文化の違いに驚いたら、以下の本を見てみよう!^^

くらべる東西

くらべる東西

 

 ❇︎書店さんでもどこでも「東京1年生」を集めたトークイベントなどどうですか?東西の違いなど、いろいろお話しますのでお声かけください^^

「本を作るということ」で知った製本家というお仕事

昨晩、荻窪の書店「TITLE」で行われた「本を作るということ」というトークイベントに行ってきました。

絵本作家・井上奈奈さんの『うさぎまでのおさらい』という作品に携わった「中野活版印刷店」の中野さんと、製本指導された「空想製本屋」の店主・本間あずささんのお三方によるお話。この『うさぎまでのおさらい』は、手製本で作られたもので、今の商業出版の主流からすれば、それはもう小部数の作品でしょうが、部数などとは関係なく、作品にかかわった方々の素晴らしい情熱が感じられて、同じ本を作る者として背筋が伸びる思いがしました。大部数ではあるもののスクラップ&ビルドのような本も多いなか、少部数、高定価であっても、本を愛する人によって支えられ、ちゃんと商品としても流通していく新しい本の形を見ることができて、とても有意義でした。

さて、そんなトークイベントで、僕にとってももっとも驚きだったのは、製本家という仕事をされている「空想製本屋」の店主・本間あずささんの存在でした。

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オーダーメイド手製本や、本の仕立て直しといった仕事をされる方がおられたなんて!

本間さんは、都内の工房で手製本を学んだあと、スイスのアスコナ製本学校で製本技術を学んだといいます。詳細は、以下のリンクでご覧ください。

空想製本屋

本って、もっと多様性があって、いろんな可能性があるんだなと、昨日、登壇された3人の方に教えていただいた気がしました。いや3人じゃないな。4人だ。この本の版元は、たった1人で出版社「ビーナイス」をされている杉田さん。ご縁があり、たまにお話させていただきますが、本にかける情熱、いろんな才能を幅広くリスペクトされる姿勢に、いつも感じ入っています。

「出版不況」などと数字でしか本の未来が語られない昨今ですが、まだまだいろんな可能性があると元気づけられました。本の未来は明るい!

そうそう明日は「目でみることば」シリーズの偉大なるパートナー・カメラマンの山出さんが下北沢のB&Bのこんなイベントに登壇されるので、こちらにも行ってきます。

楠見清×南信長×山出高士「このマンガ&アニメのキャラクター銅像がすごい!」『もにゅキャラ巡礼』(扶桑社)刊行記念 | 本屋 B&B

席はまだまだたっぷり残っているそうなので、興味ある方ぜひ。こういったイベントに気軽に行けることこそ、東京の大きな魅力。東京1年生のみなさん、ぜひこんな書店のイベントにも気軽に足を運んでみましょう。会社と家の往復だけじゃ、東京は元がとれませんよ。

テンヨーのジグソーパズル

春が来ると「ジグソーパズル」を思い出します。

高校を卒業して東京に出てきたばかりで、まだ部屋にテレビもなかったあの春の日、あまりに暇だから当時物珍しかった「LOFT」で買ったジグソーパズルばかりやっていたからなぁ。

今でも覚えているけど、最初に買ったのは、漆黒の闇の中に浮かび上がるきれいな地球でした。この闇の部分が難関で、暇を持て余してた自分にぴったりだった。これを完成させて、何もなかった部屋にしばらく飾っていたなぁ。

そんな春を思い出させるジグソーパズルですが、こないだ娘に買ってあげたこの商品が実に優れものだったので、備忘録を兼ねて紹介です。

 昔のジグソーパズルって、ピースが硬いダンボールのようなものでしたが、今は硬質なプラスチック。これによりピースの劣化がないし、ハマったときの快感が上がっている感じがする。完成後の糊付けも不要だし、ステンドグラスみたいで実にきれい。これで1000円ちょっとって安いし優れもの。これは「テンヨー」というメーカーさん、お見事でしょう!娘は、できたらすぐに壊してまた作ってるから、また買ってあげよう。次はこんなプーさんにすっかな。

テンヨーさん。こちらか。

このピュアホワイトで、偉人とか遺跡とか、おじさん向けシリーズ作ってください。お願いします。

 

京都の蕎麦前「晦庵 河道屋」

蕎麦屋で、板わさや卵焼きなどを肴にゆるゆると呑んで蕎麦で〆る。この蕎麦屋で呑む「蕎麦前」という文化は、京都出身の僕にとってサイコーの東京文化のひとつです。

京都って蕎麦をあまり食べないんですよね。うどん最高!カルチャーなんで、蕎麦前なんて存在しないものだと思っていました。でも、あるんですねぇ。先日、帰省の際に立ち寄ったのが江戸時代から続くという蕎麦屋さん「晦庵 河道屋」。

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ここが実に「蕎麦前」に適したお店なのです。午後2時〜午後5時が休みの店だと「蕎麦前」のゴールデンタイムの午後3時前後に飲めないのですが、ここは通し営業でその点も心配なし。つまみも素敵。

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奥が刺身ゆばで、手前が焼き鳥。この串から外すスタイルは東京の老舗蕎麦屋でも見られるものでなんだか嬉しい。あと京都らしく焼き鳥に山椒が効いているのもいいなぁ。知らなかっただけで京都にもちゃんと蕎麦前文化があるんですね。京都の好きな店がまたひとつ増えました。

手話の「昭和」と「平成」

3月24日に「日本文藝家協会」さんのお招きによる「文芸トークサロン」に登壇してきました。もう4回目になるのですが、いつも写真をスライドにして、それを見ながらお話する2時間弱。今回は「くらべる時代」をテーマに昭和と平成で何が変わったかを、クイズ形式も交えてお話ししてきました。

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こんなガムの変化が意外と盛り上がりましたね。

それで、今回はスペシャルなことがありまして、手話の同時通訳の方がついてくださったのです。2人の方が20分をめどに交代して私の話を手話で通訳してくださるのですが、手の表現でなく口の表現も加わり、大変な重労働ですね。でもおかげで耳の不自由な方もたくさん参加してくださり「楽しかったです!」と声をかけてもらって、とても貴重な体験となりました。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

合間の休憩時間に手話通訳の方に手話を少し教えていただきました。「昭和は、高い襟を表現します」とのこと。手を広げて高い襟のところで少し動かします。「平成は平ら」ということで、手のひらを横に動かす感じで。明治と大正は、それぞれの天皇の印象的なヒゲが、手話もモチーフになっています。こんなサイトが詳しいかな。

イベントは、自分ではたどり着けない出会いをくださるので感謝感謝。また登壇すること楽しみにしております。

昭和と平成のオムライス、食べくらべ。

『くらべる時代 昭和と平成』のカバーを飾るのは、日本橋たいめいけん」のオムライスです。

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こちらが「オムライス」。昭和からある王道の形ですよね。これに対し平成になってとろとろの卵が乗せられたオムライスをよく見るようになりましたが、その端緒だと考えたのが、同店の「タンポポオムライス」です。

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このようなオムレツが乗った形で出てきますが、ここにナイフを入れていきます。

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スーッと切っていく。

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そして卵を開いていく。

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とろとろ^^ 美味しそう。この「タンポポオムライス」の名前の由来は、昭和60年に公開された故・伊丹十三監督の『タンポポ』という映画のタイトルから。同映画にホームレスの男が厨房に忍び込んでオムライスを作るシーンがあるのですが、この撮影に協力した縁で、この名前を採って同店の名物になったのです。YouTubeで探したらあったあった。これですこのシーン。


たんぽぽ すごく美味しそうなオムライス作り

 日本映画の名シーンですね。

たいめいけん」のこの2つのオムライス、見た目だけじゃなくて具材も異なれば味もかなり違います。ぜひ食べくらべてみてください。

たいめいけんのオムライス食べくらべといえば、平松洋子さんの『サンドウィッチは銀座で』(画は先日お亡くなりになった谷口ジローさん。お疲れ様でした。)。この中に「いつもこころにオムライス」という一編があり、たいめいけんでこの両者(+牛肉のオムライス)を食べるシーンがあり、こちらも楽しい。

平松さんは、大阪心斎橋の「明治軒」にまでオムライスを食べに行っておられます。

《「オムライスを知ろうというなら、ぜったい食べずにすませられない味が心斎橋にある。これは酔狂なんかじゃない、一途なオムライス賛歌」》とまでいわしめる味。この店か。

串カツもセットになっているのだとか。ほー。今度、行ってみよう。オムライス探訪、ちょいちょい続けてみようかと思います。

くらべる時代 昭和と平成

くらべる時代 昭和と平成