おかべたかしの編集記

読書・執筆・育児の記録と、お知らせと。

FC東京に3つの提言

2017年のFC東京も昨日のガンバ大阪戦で終了。

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試合後は、引退する石川直宏のセレモニーと、長崎に移籍する徳永悠平の挨拶もありました。僕は2005年からSOCIOなんですが、これで僕が東京を応援するようになったときからいる選手は梶山だけかな。寂しいけれど、新たな選手の活躍に期待します。

さて、それにしても今シーズンの東京は不甲斐なかった。SOCIO人生でもっとも熱が入らなかったシーズンといっても過言じゃないでしょう。それは単に弱かったからということではなく、フロントに疑問を感じているから熱が冷めてきたと感じています。そこでチームを愛するがゆえに、苦言を書いておきます。

僕なりのFC東京への3つの提言です。

<1 試合後の監督コメントをオフィシャルサイトで誰でも見られるようにしよう>

現状、試合後の監督・選手コメントを有料サイトで発信しているけれど、これはやめたほうがいいですよ。誰でも見られるようにすべきだし、ぜひ見てくださいという姿勢を出さなければ。多くの東京サポが、今、FC東京に対して不信感を抱いているのは「発信力のなさ」なのです。監督を交代するにしても、選手を獲得にするにしても「こういう理由なのです」という説明が必要。それがうまくいかないこともあるけれど「意図がわからないもの」を妄信的にサポートする気にはなれない。試合後、負けたときにも監督や選手の気持ちや意図が見えれば、サポーターは納得するし、もっと応援しようと思う。これこそ大切なことだし、監督のコメントなんかにサポーターから月額数百円とろうとする了見の狭さが、サポーターとして悲しいです。監督、選手コメントは、オフィシャルサイトで無料掲載してください。

 

<2 イベントをしっかりと考えよう>

川崎フロンターレがリーグで優勝しました。チームの力の差がこれだけ開いた理由のひとつには「来場者を楽しませよう」というフロントの意識差があると思います。川崎のイベントは、チラシなんかをちょっと見るだけでも実に楽しそう。

koyamachuya.comこんな「宇宙兄弟」とのコラボなど、サッカー知らない人でも行きたいなと思わせるものがある。対してFC東京って、何も考えていないに等しいですよ。「ローソンDAY」とか「ジークDAY」とかスポンサーの名前を冠にして「DAY」をつけるだけ。これでいいと思っているんですかね。「おっ!今日はジークDAYか!」と思ってスタジアムに来る人がいると思っているんですかね。もちろんスポンサーはありがたいですが、企画の出発点がそこにあるだけで、そこから考えるのが仕事というものでしょう。「ローソンプレゼンツ★★」とか「ジークプレゼント★★」などとちゃんと企画を考えよう。見て来たいと思わせるものを考えましょう。

 

<3 しっかりと新しい血を入れよう>

なんかずっと身近なところで仕事をしているなーという印象があります。それはファンクラブ通信の編集とか、グッズのデザインとか、サイトの作り込み方とか、ずっと同じ、新味なし。それがデザイン的にもアイデア的にも優れたものであればいいですけど、正直、一級とは言い難い。世の中にはもっと新しい才能があるんですよ。そういったところに目を配り、そういった人に声をかけて新しいものを作らないと魅力が全然ない。これはチーム作りにもいえるんじゃないですか。親しい人とは密なコミュニケーションは取れるけれど、チームは生まれ変わらないですよ。新しい血を入れようとすることこそ魅力あるチーム作りに欠かせないのでは。ぜひ新しい血を入れようと積極的になってください。そのために減点主義の評価軸をやめて、元気ある組織を作ってください。

魅力あるFC東京の復活、期待しています!

「ちんや」の食べくらべ会の報告&「さばのゆ」の食べくらべ会リターン

9月30日に《『くらべる値段』刊行記念 浅草「ちんや」の「適サシ肉」と「赤身肉」を食べくらべる会》を開催しました。『くらべる値段』で「すき焼き」の値段を比較したところ……

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この取材にご協力いただいたすき焼きの老舗「ちんや」さんから声をかけていただき、簡単なトークショーと、この二つのお肉を食べくらべる会の開催となったのです。

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24人の方にお集まりいただき楽しい会となりました。ご参加いただいた方、ありがとうございました。ちんやさんについては以下のサイトをご覧ください。

== Sukiyaki C H I N Y A ==

そうそう「ちんや」という名前ですが、こんな犬に由来するのご存知でしょうか。

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これ『目でみる漢字』という本で撮影した「チン」という犬です。チンは「狆」とけものへんに「中」と書くのですが、これは動物は外で飼うのが当たり前だった時代に、家の中で飼うために生まれた犬種ゆえのこと。だから狆は、ほとんど鳴かないし、匂いもしません。取材に行った時も、大人しかったなぁ。「ちんや」という名前は、創業当時、この「狆」という犬のブリーダー的な仕事をしていたことに由来するそうです。

さて食べくらべ会、引き続きさせてもらうことになり、10月13日の金曜日、経堂の「さばのゆ」さんでは「美味しい海苔」などを食べくらべる手巻き寿司の会をやります。こちらはカウンターで、のんびり、ゆるりとした会ですので、お時間ありましたらお立ち寄りくださいませ。詳細、以下「さばのゆ」のサイトからどうぞ。

くらべる値段

くらべる値段

 
目でみる漢字

目でみる漢字

 

『ひよっこ』素晴らしかった!

備忘録として書いておきますが、NHKの朝の連ドラ『ひよっこ』素晴らしかった!

今まで見た朝ドラのなかで、もっとも楽しかった。サイコーでした。

 

みね子が東京に出てきて、乙女寮に入ったとき、きっと「悪い奴」が出てくると思ったけど、みんないい子だった。いい子たちのすれ違いや感情のもつれはあるけれど、いい子だ。いい子だけでもしっかりと物語は成立することを、天下に知らしめてくれた気がする。素晴らしかった! サンキュー!ひよっこ

 

全国の「生産」と「消費」のデータが面白い

生産量の日本一については、ジャガイモが北海道だったり、米が新潟だったりというのは、わりとみんな知っていると思います。でも消費量の日本一というのは、意外と知らない。産業という観点で見れば「生産量」に着目すべきで、学校で習うのは主にこちら。でも文化という観点で見れば「消費量」に着目すべきですが、これってなかなか教わらないですよね。『調べる!47都道府県 生産と消費で見る日本』という本に、消費のデータがたくさん出ていて、とても面白かったのでいくつかご紹介します。*消費のデータは2014年から2016年の平均とのこと。

調べる!47都道府県 2017年改訂版: 生産と消費で見る日本

調べる!47都道府県 2017年改訂版: 生産と消費で見る日本

 

 <米>消費1位=静岡県

<さつまいも>消費1位=徳島県。2位=茨城県

<じゃがいも>消費1位=新潟県

<だいこん>消費1位=岩手県

<にんじん>消費1位=沖縄県

<さといも>消費1位=新潟県。2位=大分県。3位=山形県

<はくさい>消費1位=大阪府

<キャベツ>消費1位=長野県

<ほうれんそう>消費1位=岩手県

<ねぎ>消費1位=秋田県

<たまねぎ>消費1位=北海道

<レタス>消費1位=神奈川県

<きゅうり>消費1位=栃木県

<トマト>消費1位=新潟県

<ピーマン>消費1位=埼玉県

<かぼちゃ>消費1位=鹿児島県

<ごぼう>消費1位=宮城県

<れんこん>消費1位=佐賀県

<たけのこ>消費1位=長野県

とりあえずめぼしい野菜をいろいろと。にんじんの消費1位が沖縄というのは「にんじんしりしり」という郷土料理の存在があるからでしょうね。さといもの山形県3位というのは「芋煮」。でもそのほかは、どういう背景があるのかよくわかりません。これからおいおい調べていきたいと思います。ちなみに、果物の消費1位というのは、だいたい生産1位と同じところ。果物は生産の歴史が浅いのと、輸送するのが難しかった時代が長かったからでしょうね。魚介類も、概ね産地と消費の1位は同じなのですが、このように野菜は産地と消費の1位が違うのが興味深い。他の品目でいえばこんなところも気になるかな。

<牛乳>消費1位=滋賀県

<鶏卵>消費1位=鳥取県

なぜ滋賀県の人は牛乳をたくさん飲むのでしょうか^^

こういうデータから、調査して事実を知るのは、なんとも楽しいものです。

素晴らしき千円万年筆「カクノ」

『くらべる値段』の取材で出会った品々で、僕がもっとも愛用しているのが、千円の万年筆「カクノ」です。

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写真が千円と1万円の万年筆ですが、これだけの価格差を生み出す最大の要因は、ペン先の素材の違い。1万円のものはペン先が金。柔軟性がある金は万年筆のペン先に最適なのですが、やっぱり高価ゆえに、多くの人が使うに至らない。万年筆のユーザーは、このままだと先細りの一途。「ならば千円の万年筆を作ってみたらどうだろう」。こんな着想から、パイロット社が作ったのがこの「カクノ」です。ペン先をステンレスにして部品も最小限に留めたことで実現したこの価格ですが、これがカジュアルに使えるうえ、万年筆の書く楽しさが十二分に発揮されていて素晴らしい。ポンとペンケースに入れるにはこれくらいラフなほうがかえって似合うくらい。万年筆って、達筆でなくても文字に味があっていいですよね。

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サインもカクノで書いております^^

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 カラーバリエーションも豊富。ぜひどうぞ(撮影:山出高士)

《明日9/9(土)15:05~15:50 NHK総合》で「中部境界線ワンダーランド」全国放送されます!

春先に我々「おかべ&山出」の「くらべる東西」コンビがロケ参加してきたNHK津制作の「中部境界線ワンダーランド」。7月に中部地方限定放送されたのですが、評判よかったようで、なんと全国放送が決定しました! 放送は《9/9(土)15:05~15:50 NHK総合》ってことで明日!「関東の文化と関西の文化の境界線はどこに?」という素朴な疑問を解決すべく、いろんな調査を行っていますのでぜひご覧くださいませ! ちなみに僕らの出番はあっという間に終わります^^

f:id:okataco:20170610123007j:plain写真は、この取材の帰途、立ち寄った金沢の近江町市場にあった「魚屋さん立ち飲み」。ケースのネタから魚を選んで飲めます。天国でした。

みなもと太郎『マンガの歴史』が名作でした

先月のことになりますが、東京に雹が降った8月のある日。みなもと太郎先生の画業50周年を祝うパーティーが行われました。

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新春にみなもと先生の『風雲児たち』がNHKでドラマ化されることもあるのでしょう。脚本の三谷幸喜さん、主演の片岡愛之助さんからもお花が届いておりました(杏さんは、いわずとしれた『風雲児たち』の大ファン)。さてそんな盛大なパーティーのお土産にいただいたのがこの本です。

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 みなもと先生は、以前より「マンガ研究家」として、いろいろ発信されていたのですが、僕自身、それほどマンガの歴史に深く興味をもったことがなかったので、いい機会にと読んでみました。「マンガの歴史」ですから、少なからずのお勉強感もあるだろうと思っていたのですが、そんな不安は冒頭のこんな一節で吹き飛びます。

《初めにご紹介したいのは、円山応挙という人です。円山応挙は、一七三三年に生まれ、一七九五年に亡くなった江戸時代の絵師です。今から二五〇年くらい前に活躍していた人ですね。この円山応挙の作品に「子犬の絵」がいくつかあるのですが、これがなんともいえず「かわいい」のです。インターネットで「円山応挙 犬」で検索するとすぐ出てきますので、ぜひ実物を見てください》

マンガの歴史が「円山応挙」から始まる! この驚きとキャッチーさ。ちなみに円山応挙の犬は、こんな本の表紙にもなっています。

かわいい江戸絵画

かわいい江戸絵画

 

 そして読み進めるうちにわかってきますが、これはみなもと太郎の文章版「風雲児たち@マンガ」なのです。『風雲児たち』を作成するときにベースになるのは、今も昔も年表。時系列を追って、丹念に「何が起こった」かを探っていき、人があまり気づかない縦糸と横糸を編み込んでいくーーそんな面白さが『風雲児たち』にはあるのですが、その醍醐味がこの本にもある。

《ところで、なぜ戦後についての章なのに、戦前のことを延々述べているかというと、戦前と戦後というのはそこでぷっつり途切れているわけではないからです。そこはやっぱり地続きなんですね。戦後になったからといって百八十度世界が変わるわけではありません。いや、実際変わったと実感する人は多く、それほど変化は大きかったんですけど、マンガを取り巻く状況はすぐに変わったというわけではありませんでした。》

この一文など『風雲児たち』そのもの。時代を丹念に追いかけるみなもと節は、この文章版「『風雲児たち』でも、大いに健在というか、より一層顕在化している印象です。

《「歴史というのは必ずしも有名な人たちだけが作っているわけではない」ということです。有名な人たちの陰に隠れた名もなき人々が、実はとても重要な役割を果たしているのです。》

これは「はじめに」の冒頭文ですが、このように『風雲児たち』の精神がこの本でも大いに生きているのです。さて「いつ終わるのだろう?」というのも『風雲児たち』同様、この『マンガの歴史』にもありまして、この「1」では、「終戦まで」から「『W3』事件と『巨人の星』まで」の全八章。今後、巻を重ねていくのでしょうが、どこまで続くのかも実に楽しみ。時代を整理する能力。それをうまく語る能力。魅せどころを外さない勘所など、マンガ研究家としてのみなもと太郎も実に素晴らしく、多くの人に勧めたい傑作でした。あと、この「岩崎調べる学習新書」というレーベルの素晴らしさについても触れておきます。

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これ、本を開いたところなのですが、このようにしならずにパキっと開く。これ「コデックス装」というんですね。先日買ったこんな本も同じような仕様でした。

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これは「魔法の閉じないブック」製法!という謳い文句に惹かれた買ったこんな本。

レシピ本などは、この「閉じない製法」を使うのは自然な流れでしょう。でもこの「マンガの歴史」で用いたことも個人的には大正解だと思いました。置いたままで読めるというのは、思いのほか楽ですし、そこから引用して僕のようにブログを書いたりするのにもとても便利。こういった製本技術を用いたことだけでなく、レイアウトも実に読みやすく、文字だけの単行本でありながら、とれもよく考えられているレーベルだと思いました。版元の岩崎書店は、あの『もしドラ』作者の岩崎夏海さんなんですね。これから「マンガの歴史」以外にも注目したい素晴らしいシリーズでした。

岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1

岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1

 

 *拙著の『風雲児たちガイドブック』も『風雲児たち』を俯瞰するのにご覧ください。

風雲児たちガイドブック 解体新書 (SPコミックス)

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