おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

高知新聞&京都の美味しいもの

高知新聞で『くらべる日本 東西南北』ご紹介いただきました。3月に「漫画大会議」でみなもと先生のお供で足を運んでから、いろいろご縁のある高知県。ありがたいかぎりです。また行きますね。

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さて、先週まで京都に帰省していたのですが、そこで美味しいものを食べたのでご紹介。まず「天津飯」。

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京都町中華の名店といわれる東山三条の「マルシン飯店」。開店直後を狙っていくものの30分ほど並びましたが、たしかに美味しい。天津飯、チャーハン、餃子、レベル高いなぁ。安いし。また息子と行こう。

続いて我が地元である円町のカレー屋さん「リバーブ」。

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スパイスがよく効いた美味しいカレー。円町に神保町が来たって感じ。これは通います。

最後にお豆腐。同じ円町にある「吉田食品」さん。

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経堂の「さばのゆ」でお会いした豆腐マイスターの方から、京都の美味しい豆腐屋さんと教えてもらったのですが、実家の近所で我が家でもよく買っているのだとか。そのお店の看板商品がこの「はんざ」。うんまーい。優しくもぎゅっと豆の旨味が詰まった味でした。豆腐も奥深いねぇ。これからいろいろ食べ比べてみましょうかね。

京ブランド認定豆腐(吉田食品)|京都府豆腐油揚商工組合

さて、帰省も終えて夏休みもあとわずか。明日からは息子のサッカーチームの合宿行ってきます。

多摩動物公園で「東西のモグラ」を見てきた

関東と関西の相違点は、食や文化だけではなく、生き物にも見られます。関東ではアブラゼミが多いけれど、関西ではクマゼミが多いというのはよく知られていますが、なんとモグラも違うといいます。

関西には「コウベモグラ」が多く、関東には「アズマモグラ」が多い。それで体格に勝る「コウベモグラ」が、「アズラモグラ」も生息地を脅かしているというではありませんか。まるで「東西モグラ戦争」のごとき状況だというのですが、そんなら見てみたいと探すと、東京の多摩動物公園に、その2種類のモグラが展示されているというので行ってきました。

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山出カメラマンが撮ってくれたこの写真。なんか無駄に近未来感があって大好きなのですが、どうでしょう。とてもモグラを観察しているようには見えませんが、これぞ「空中モグラ」という観察方法で、このようにトンネルを空中に這わせることで、その動きが観察できるのです。

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トンネルを見上げるとこんな具合で、モグラが通ったら鈴が鳴るという親切設計。さて、このような状況でコウベモグラとアズマモグラを飼育していたら、それこそ戦争になるのではと思ったのですが、なんとこのトンネルは1匹につき1つ。つまりモグラたちは、他のモグラと出会うことなく、己のトンネル生活を謳歌しているのでした。

なんでも、モグラはアズマ、コウベといった種類の違いに関わらず、自分のトンネルにきた他者を排除するので、同じ穴で飼育することはできないのだそうです。

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そんな謎めいたモグラの生態を教えてくれるのが、この壁に貼られた「おしえて!モグラ先輩!」。これが超毒舌で実に面白いのでぜひ見てください。

今、多摩動物公園に行ったらとても暑いと思うので、冷房完備の「もぐらのいえ」おすすめですよ。こんな「東西モグラレポート」を『くらべる日本 東西南北』に記しておりますのでぜひ。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

 なお、モグラについて詳しく知りたい人は、『モグラ博士のモグラの話』がすごく面白いので超オススメです。

モグラ博士のモグラの話 (岩波ジュニア新書)

モグラ博士のモグラの話 (岩波ジュニア新書)

 

 

『くらべる日本 東西南北』出版記念のお雑煮パーティー

昨日、経堂「さばのゆ」で行った『くらべる日本 東西南北』の出版記念お雑煮パーティーが最高だったのでご報告です。

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今回『くらべる日本 東西南北』に合わせて、ご覧の「東西南北」4種類のお雑煮が出されました。提供してくれたのは「株式会社お雑煮やさん」の粕谷さん。先日、日本百貨店酒場で行われた「つなぐ」イベントでお会いして意気投合して、今回のイベントへの出演をお願いしたのでした。

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こちら高級な焼きハゼで出汁をとった仙台の雑煮。素晴らしい風味!

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こちらは鹿児島の焼きエビで出汁をとった雑煮。こんな美味しい雑煮とともに新刊のお話しをお客さんといろいろできて実に楽しかった。

雑煮は出汁だけでなく、野菜の切り方、餅を焼くか煮るかによっても地域差があるのでした。美味しいだけでなく、日本文化の豊かさも改めて知ることができた素晴らしい夜でしたよ。

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粕谷さん、ありがとうございました!

こんな風に日本文化を楽しく伝えられる人ともっとつながりたいなー。いつかこのお雑煮やさんのような人とたくさんジョイントして、「日本文化フェス」をやりたいという夢ができました(地域文化の多様性に着目して活動されている方、ぜひご連絡ください)。

お雑煮マニアックス (dancyu特別編集 プレジデントムック)

お雑煮マニアックス (dancyu特別編集 プレジデントムック)

 

 こちらは粕谷さんの著書。

からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ

からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ

 

 こちらはお手伝いくださった塩麹研究家の「おのみさ」さんの本。おのさんもよく「さばのゆ」で、美味しいイベントをされておられます。酒を愛する素敵な人だー。

蘇るサバ缶  震災と希望と人情商店街

蘇るサバ缶 震災と希望と人情商店街

 

 こちらは「さばのゆ」店主の須田さんの本。この日は、みんな何かの本の著者だったんだなー。多彩な人たちが集う経堂のさばのゆ。とても貴重な楽しい場所なのでした。ぜひ、一度、訪れてみてください。

sabanoyu.oyucafe.netこちらは、粕谷さんの会社。

新刊もよろしくどうぞ。またこんな楽しいイベントできるように、次なる本も頑張ります。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

 

『くらべる日本 東西南北』の特選比較

新刊『くらべる日本 東西南北』は、もうすぐ店頭。そこで今日は、僕がお気に入りの比較をご紹介していきます。細かい、内容は本を見てもらうとして、パッと見た感じが楽しい対比です。まず、なんか好きなソースカツ丼福井市会津若松市とではずいぶん違います。

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次に、これも好きな城。東日本と西日本の違いは、なんでしょうか。

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イカの塩辛も地域色ってのがあるんですよ。

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風鈴というのは、地域の産業が表出して面白いんですよ。

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京都と東京では「みたらし団子」も違います。なぜ、こんな違いが生まれると思いますか?

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このような見ても楽しい『くらべる日本 東西南北』。地域文化の面白い違いをたくさん発見してください。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

 

 

「いがまんじゅう」の謎 あなたの街にも<もち米をまぶした「まんじゅう」>ありませんか?

こんなカラフルなもち米をまぶした「まんじゅう」ご存知でしょうか?

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こちら滋賀県蒲生郡日野町に伝わる「いがまんじゅう」。新刊『くらべる日本 東西南北』では、この「いがまんじゅう」をいろいろ紹介していますが、これは山出カメラマンの体験から始まっています。実は、山出カメラマンが雑誌の撮影で、初めて見た「いがまんじゅう」は、埼玉県鴻巣市のこちらのもの。

 

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次に見たのが、愛知県幸田町のこちらのもの。

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このように同じ名前の「いがまんじゅう」であっても、見た目が全然異なるのはなぜなのだろう……本の中ではこの謎を追ったのですが、鴻巣の赤飯をまぶしたものは独自で、カラフルなもち米をまぶしたものは、全国にあることがわかりました。

名前も異なっているケースもあります。三重県の津市では「けいらん」と呼び、愛媛県松山市では「りんまん」と呼び、山形県蔵王では「稲花餅」と書いて、これで「いがもち」と呼びます。

通年、売られているケースもあれば、ひな祭りのシーズンや、秋祭りのときだけ売られているものもある。しかし、どれも赤、黄色、緑、白など、カラフルなもち米がまぶされているのです。似ているのだけれど、多様性があるところがとても魅力的です。

今回、山出カメラマンのコラムも含めて、様々な考察を行なった「いがまんじゅう」ですが、「すべてのいがまんじゅうを写真に撮りたい!」(by山出高士)と、その熱は止まることを知りません。『くらべるいがまんじゅう』の刊行も夢見ていますので、ぜひ「我が町にもいがまんじゅうがあるよ」あるいは「カラフルなもち米をまぶしたまんじゅうがあるよ」という方おられましたらぜひ教えてください。

情報提供先メールこちらです。spoonbooks-to@yahoo.co.jp

このように名前は同じでも全国には異なるものがたくさんあります。そんな異文化比較を見て楽しめるように紹介しているのが新刊『くらべる日本 東西南北』。ぜひよろしくお願いします。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

『くらべる東西』からエリア拡大『くらべる日本 東西南北』8/1発売!

新刊『くらべる日本 東西南北』が完成したので、見所をご紹介します。

 

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2年前に刊行した『くらべる東西』では、東と西の文化の違いをくらべたものでしたが、本作ではエリアを「東西南北」に拡大して、全国の面白い文化の違いをご紹介。カバーは、スコップです。「どっちがスコップ?」と帯にありますが、どちらをスコップと呼ぶかは、地域によって異なるということをご存知でしょうか。関西で育った僕にとって、スコップは左の小さいものとしか思えませんが、関東ではなんと逆の人が多いんです。あなたにとってのスコップはどちらでしょうか。

さて、エリアを全国に広げて発見した面白い地域文化ですが、たとえばこんなもの。

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これ何かわかりますか?

これは北海道の百人一首で「板がるた」とか「下の句かるた」と呼ばれるもの。この名前からもわかるように、取り札が板でできているのですが、それ以上に驚くのが「下の句を読んで下の句の札を取る」というところ。え? 百人一首といえば、上の句と下の句を覚えるものという、全国的な大前提からして違うのです。北海道出身の人に聞くと、ほほこの「下の句かるた」を知っているので、道民の認知度はかなり高いと思います。身近な北海道出身の人に「これ知ってる?」と聞いてみてください。きっと話が盛り上がると思いますよ。

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あと日本犬の取材もしまして、こちらはオオカミっぽい風貌がかっこいい「四国犬」。あと「甲斐犬」とか「紀州犬」の姿も拝めますよ。

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こちらは鉄板で焼いた鳥の皮ですが、これが愛媛県今治市で定番の「焼き鳥」。「焼き鳥」と一口にいっても、全国ではその姿も様々なのが面白い。

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ではひとつクイズです。こちらは東京のみたらし団子ですが、京都のみたらし団子は、何が違うでしょうか? ぜひ考えてみてくださいませ。

このような文化の違いがたくさん詰まった『くらべる日本 東西南北』は、8月1日発売です。さて、本書の発売を記念して東京都世田谷区経堂の「さばのゆ」で、出版記念イベントを7月31日(火)に行います。今回は、なんと「株式会社お雑煮やさん」が、東西南北4種類のお雑煮を提供してくださいます。

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東の雑煮は千葉の「はばのり雑煮」。西の雑煮は京都の「白みそ雑煮」。南の雑煮は鹿児島の「西郷どん雑煮(焼き海老出汁の甘口醤油タイプ)」。そして北の雑煮は宮城の「ハゼ出汁雑煮(引き菜でイクラ乗せたタイプ)」。これがチャージの1500円で食べられるというお得なイベントになっていますので、ぜひお越しくださいませ(ドリンクキャッシュオン)。予約は以下のさばのゆのサイトからお願いいたします。

sabanoyu.oyucafe.netご協力いただく「株式会社お雑煮屋さん」はこちら。

www.zouni.jpでは『くらべる日本 東西南北』よろしくお願いします。これからしばらく、関連情報をアップしていきますので、楽しみにしていてください。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

 あと『くらべる東西』もよろしくどうぞ。

くらべる東西

くらべる東西

 

 

小学6年の息子が「こんなの泣いちゃう」と言ってくれた本

小学6年の息子が、ようやく本を読み出しました。これが地味に嬉しい。

本を作っている身としては、その良さを次世代に伝えたいのですが、自分の息子が読まないようでは話にならない。かといって押し付けても本を嫌いになるだけだろうしと、ゆるやかに彼の近くに名作を置き続けたところ、ある日、手にとって読むようになりました。そのきっかけとなったのは、こちら。

十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫)

十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫)

 

 僕、実は大学の卒論をジュール・ヴェルヌで書いたほどのヴェルヌファンでして、十五少年漂流記も、本が大好きになった思い出の一冊。「これ面白いね」と息子がいってくれたので、嬉しさを隠しながら「当たり前だろ!」と答えておきました(笑)。

十五少年漂流記』を読めば、次も漂流ものだろうと、次はこちらをさりげなく。

ロビンソン漂流記 (講談社青い鳥文庫)

ロビンソン漂流記 (講談社青い鳥文庫)

 

 やっぱ漂流モノは、探偵モノと並ぶ、男子にとってのキラーコンテンツ。がっつり食いつきますね。僕は、ここから吉村昭先生の『漂流』とかに行ったのですが、ちょっと早いかなと思い、次に放った一手が良かった。

源平の風 (白狐魔記 1)

源平の風 (白狐魔記 1)

 

 息子は歴史が好きなので、これは食いつくのではと手渡したのが、斉藤洋さんの『源平の風』。仙人に弟子入りして仙術を習得した狐「白狐魔丸」が、日本の歴史上の人物と遭遇し、歴史の面白い一面を見せてくれる名作シリーズの第1巻です。僕は、大人になってから読みましたが「児童文学」という枠を超えた実に面白い作品。案の定「白狐魔丸がかわいい!もっと読みたい」と言うので、立て続けに4作読んだかな。

蒙古の波 (白狐魔記 2)

蒙古の波 (白狐魔記 2)

 
洛中の火 (白狐魔記 3)

洛中の火 (白狐魔記 3)

 
戦国の雲 (白狐魔記 4)

戦国の雲 (白狐魔記 4)

 

 このなかだと元寇を描いた『蒙古の波』がいちばん好きだったようでした。

もうここまでくると、立派な本好き。今まで「難しい」と思っていたものを、スラスラとクリアできる快感。読んでしまえば単なる娯楽のひとつと感じられるようになれば、もう大丈夫。本なんて、そんなもんです。肩肘張らず、楽しんでもらえれば十分。そのためには、楽しい本を渡してあげること。そして親も本が好きである環境が整えば言うことないですよね。

さて、「もっと違う感じで面白いのが読みたい」というので、「まだ早いかもしれないけど……」と、この作品を渡してみました。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 

 『西の魔女が死んだ』。主人公の女の子と、おばあちゃんの物語。ストーリーもいいけれど、おばあちゃんの家の描写が本当に素敵なんですよね。「読めば絶対感動する。保証する」と言って渡したら「よーし」と読み始めた。ずっと集中して読んでいて、最後の最後、彼の目から涙がポロリ。きっと最後のあれを読んだのでしょう。

《「西の魔女から東の魔女へ おばあちゃんの魂、脱出大成功」》

読み終えた息子は「こんなの泣いちゃう」と言ってました。かわいいなー。嬉しいなー。自分の感動を子供と共有できるのは、なんともいいことですね。

すっかり本に対して抵抗もなくなったようなので、この夏は、いっぱい本を勧めたいと思っています。