おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

歴史好きの小学生におすすめの本

我が家の小学6年生の息子が歴史好きというのは、前もちらっと話したかと思います。それで、ようやく本の面白さに気づき始めた彼が、完読したのがこちらのシリーズ。

斉藤洋さんの「白狐魔記」シリーズ。仙人から力を授かった狐が見た日本史という設定ですが実に面白いと、あっという間にすべて読み終えた。「じゃあ次は、お父さんが持っている司馬遼太郎とか池波正太郎とか吉村昭とか読め」と言って渡したのですが、さすがにハードル高かったようで読んでくれない。

そこで読書メーターという読書好きが集まるSNSで「小学6年の息子が歴史好きで斎藤洋さんの『白狐魔記』をとても喜んでシリーズ読破しました。続いて歴史もので何か読ませたいのですが、小学生向きの歴史本でおすすめなにかありましたら教えてください」と聞いたところ、教えてもらった本がすごく良かったのでご紹介。

まずこちら。

真田十勇士(全3巻セット)

真田十勇士(全3巻セット)

 

 小前亮さんの「真田十勇士」シリーズ。全3巻ですが、あっという間に読み終えましたた。「これは面白い!」と大絶賛。カバーもかっこいいし、字間の組み方など、小学年高学年にもとっつきやすくよく考えられています。あとこちら。

月神の統べる森で

月神の統べる森で

 

 こちらは歴史というよりファンタジー系ですが、喜んでました。続いてこちら。

オオカミ族の少年 (クロニクル 千古の闇 1)

オオカミ族の少年 (クロニクル 千古の闇 1)

 

翻訳物ですが、カバー挿画は、酒井駒子さん。素晴らしいですね。昨今出版された児童書というのは、自分が体験してこなかったので、 知らないことが多いのですが、SNSでつながる司書さんや書店員さんに教えてもらえて実にありがたい。こういった魅力的な本、どんどん紹介して欲しいですね。これからも息子の読書記録、ぼつぼつ更新していきます。

明治維新150年記念特別展「明治日本が見た世界」

今日から明治神宮外苑の「聖徳記念絵画館」で、明治維新150年記念特別展「明治日本が見た世界」が開かれます。

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聖徳記念絵画館は、明治天皇の生涯を軸に描いた80点の巨大壁画が常設された美術館。その壁画群を見ることで、幕末から明治の歴史が一望できる大変貴重な場所です。この絵画館の建物は、この80点の壁画を飾るためだけに作られたもので、国の重要文化財にも指定されています。国会議事堂に似ているといわれますが、国会議事堂より歴史があるんですよ!

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一昨年の特別展に引き続き、今回の特別展のパンフレットやポスターの制作をデザイナーのサトウミユキさんと共に手がけました。

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自分たちが携わった制作物がこんなに大きくなると嬉しいですね。

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嬉しいから飾られているものをたくさん撮りました^^ 

昨日は、この特別展のレセプションがあり、多くの方からご好評をいただきました。特別展、明日から11月11日まで開催されていますので、ぜひ足をおはこびください。

場所などの仔細は以下のリンクからどうぞ。

www.meijijingugaien.jpあと、絵画館については、こちらのガイドブックがとても便利で面白いですよ。

聖徳記念絵画館オフィシャルガイド: 幕末・明治を一望する

聖徳記念絵画館オフィシャルガイド: 幕末・明治を一望する

 

 こちらも2年前に編集・執筆を手がけたものですが、自信作です。ぜひご覧ください。

おまけ

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レセプションのお食事は明治記念館の方が手がけられていたのですが、どれも素晴らしく美味しかった。あとこんな生の果物などを使ったオブジェも見事でした。

絵画館の近くには、明治記念館がありますので、お帰りにはお食事などにぜひ^^

『くらべる値段』の増刷記念POP

1年前に出版した『くらべる値段』が、嬉しいことにまた増刷となりました。これを記念して新たにPOPを作ってもらったのですが、そこに北村薫さんお言葉をいただいております。

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昨年末の『本の雑誌』の「私のベスト3」に選んでいただいたときのコメント。改めて見ても嬉しく、これからもまっすぐに本を作っていこうと思います。どうもありがとうございました。

《今回「三方よし」という近江商人の心得があることを知りました。これは「売り手よし・買い手よし・世間よし」のことで、売り手と買い手が満足して、かつ社会貢献できる商売であらねばならないという考えだといいます。この「売り手」と「買い手」が満足する関係を成立させるためには、値段の背景を知ることがとても大切――本書の取材を通じてたびたび感じたことです。この本が、このような理想的な関係づくりに、ほんの少しでも貢献できれば嬉しく思います。》

本書の「あとがき」の一節ですが、こういう考えの広まりの一助にこの本がなれればと思っております。

メッセージだけでなく、見ても楽しい本ですよ。

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6600円のカステラって何が違う?

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財布の価格差は何で決まる?

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高価なフライパンは何がいいの?

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金魚も高いのいるよね……。

身近なものの値段の差を楽しく学べる本書、ぜひ手にとってみてください。

くらべる値段

くらべる値段

 

 あと、創刊したばかりの新メディア「缶詰ニュース」さんで紹介してもらいました! 

kanzume.news

 

北海道の「きびだんご」は「起備団合」

平成30年は、記録的猛暑、台風、そして今朝の北海道の地震と、自然災害が続きますね。北海道のみなさんのご無事を祈るばかりです。

北海道といえば「起備団合」の話を思い出します。

先日出した本で「きびだんご」を比較しました。全国的に広く知られているのは、岡山銘菓として知られた白くて丸いきびだんご。しかし、北海道では細くて縦長のこんなパッケージのものが「きびだんご」として親しまれています。

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これは北海道夕張郡にある「谷田製菓株式会社」が、1923年(大正12年)に創り出したもの。この年、関東大震災が起こったことから「起きるに備え、北海道開拓時のように団結し、力を合わせて復興に努めていただきたい」との願いを「起備団合」という字に当て「日本一きびだんご」として売り出したそうです。以来90年以上に渡って北海道で販売され、当地で「きびだんご」といえば、この細長くて茶色いものを指すのだとか。

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原料はもち米、麦芽水飴、砂糖、餡で、当初から「きび」は使っていないとそうです。日持ちする上、持ち運びにも便利なことから、キャンブや登山のお供に愛用する北海道民も多いのだとか。

困難な時期、まさに日本の力を合わせたいものです。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

 

高知新聞&京都の美味しいもの

高知新聞で『くらべる日本 東西南北』ご紹介いただきました。3月に「漫画大会議」でみなもと先生のお供で足を運んでから、いろいろご縁のある高知県。ありがたいかぎりです。また行きますね。

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さて、先週まで京都に帰省していたのですが、そこで美味しいものを食べたのでご紹介。まず「天津飯」。

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京都町中華の名店といわれる東山三条の「マルシン飯店」。開店直後を狙っていくものの30分ほど並びましたが、たしかに美味しい。天津飯、チャーハン、餃子、レベル高いなぁ。安いし。また息子と行こう。

続いて我が地元である円町のカレー屋さん「リバーブ」。

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スパイスがよく効いた美味しいカレー。円町に神保町が来たって感じ。これは通います。

最後にお豆腐。同じ円町にある「吉田食品」さん。

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経堂の「さばのゆ」でお会いした豆腐マイスターの方から、京都の美味しい豆腐屋さんと教えてもらったのですが、実家の近所で我が家でもよく買っているのだとか。そのお店の看板商品がこの「はんざ」。うんまーい。優しくもぎゅっと豆の旨味が詰まった味でした。豆腐も奥深いねぇ。これからいろいろ食べ比べてみましょうかね。

京ブランド認定豆腐(吉田食品)|京都府豆腐油揚商工組合

さて、帰省も終えて夏休みもあとわずか。明日からは息子のサッカーチームの合宿行ってきます。

多摩動物公園で「東西のモグラ」を見てきた

関東と関西の相違点は、食や文化だけではなく、生き物にも見られます。関東ではアブラゼミが多いけれど、関西ではクマゼミが多いというのはよく知られていますが、なんとモグラも違うといいます。

関西には「コウベモグラ」が多く、関東には「アズマモグラ」が多い。それで体格に勝る「コウベモグラ」が、「アズラモグラ」も生息地を脅かしているというではありませんか。まるで「東西モグラ戦争」のごとき状況だというのですが、そんなら見てみたいと探すと、東京の多摩動物公園に、その2種類のモグラが展示されているというので行ってきました。

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山出カメラマンが撮ってくれたこの写真。なんか無駄に近未来感があって大好きなのですが、どうでしょう。とてもモグラを観察しているようには見えませんが、これぞ「空中モグラ」という観察方法で、このようにトンネルを空中に這わせることで、その動きが観察できるのです。

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トンネルを見上げるとこんな具合で、モグラが通ったら鈴が鳴るという親切設計。さて、このような状況でコウベモグラとアズマモグラを飼育していたら、それこそ戦争になるのではと思ったのですが、なんとこのトンネルは1匹につき1つ。つまりモグラたちは、他のモグラと出会うことなく、己のトンネル生活を謳歌しているのでした。

なんでも、モグラはアズマ、コウベといった種類の違いに関わらず、自分のトンネルにきた他者を排除するので、同じ穴で飼育することはできないのだそうです。

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そんな謎めいたモグラの生態を教えてくれるのが、この壁に貼られた「おしえて!モグラ先輩!」。これが超毒舌で実に面白いのでぜひ見てください。

今、多摩動物公園に行ったらとても暑いと思うので、冷房完備の「もぐらのいえ」おすすめですよ。こんな「東西モグラレポート」を『くらべる日本 東西南北』に記しておりますのでぜひ。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北

 

 なお、モグラについて詳しく知りたい人は、『モグラ博士のモグラの話』がすごく面白いので超オススメです。

モグラ博士のモグラの話 (岩波ジュニア新書)

モグラ博士のモグラの話 (岩波ジュニア新書)

 

 

『くらべる日本 東西南北』出版記念のお雑煮パーティー

昨日、経堂「さばのゆ」で行った『くらべる日本 東西南北』の出版記念お雑煮パーティーが最高だったのでご報告です。

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今回『くらべる日本 東西南北』に合わせて、ご覧の「東西南北」4種類のお雑煮が出されました。提供してくれたのは「株式会社お雑煮やさん」の粕谷さん。先日、日本百貨店酒場で行われた「つなぐ」イベントでお会いして意気投合して、今回のイベントへの出演をお願いしたのでした。

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こちら高級な焼きハゼで出汁をとった仙台の雑煮。素晴らしい風味!

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こちらは鹿児島の焼きエビで出汁をとった雑煮。こんな美味しい雑煮とともに新刊のお話しをお客さんといろいろできて実に楽しかった。

雑煮は出汁だけでなく、野菜の切り方、餅を焼くか煮るかによっても地域差があるのでした。美味しいだけでなく、日本文化の豊かさも改めて知ることができた素晴らしい夜でしたよ。

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粕谷さん、ありがとうございました!

こんな風に日本文化を楽しく伝えられる人ともっとつながりたいなー。いつかこのお雑煮やさんのような人とたくさんジョイントして、「日本文化フェス」をやりたいという夢ができました(地域文化の多様性に着目して活動されている方、ぜひご連絡ください)。

お雑煮マニアックス (dancyu特別編集 プレジデントムック)

お雑煮マニアックス (dancyu特別編集 プレジデントムック)

 

 こちらは粕谷さんの著書。

からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ

からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ

 

 こちらはお手伝いくださった塩麹研究家の「おのみさ」さんの本。おのさんもよく「さばのゆ」で、美味しいイベントをされておられます。酒を愛する素敵な人だー。

蘇るサバ缶  震災と希望と人情商店街

蘇るサバ缶 震災と希望と人情商店街

 

 こちらは「さばのゆ」店主の須田さんの本。この日は、みんな何かの本の著者だったんだなー。多彩な人たちが集う経堂のさばのゆ。とても貴重な楽しい場所なのでした。ぜひ、一度、訪れてみてください。

sabanoyu.oyucafe.netこちらは、粕谷さんの会社。

新刊もよろしくどうぞ。またこんな楽しいイベントできるように、次なる本も頑張ります。

くらべる日本 東西南北

くらべる日本 東西南北