おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

映画『蜜蜂と遠雷』が素晴らしかった

昨日、映画『蜜蜂と遠雷』を見てきました。

小説は本当に素晴らしく、ただ素晴らしい小説の映画化というのは、だいたいがっかりするものですが、本作は違いました。傑作です。

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ストーリーの大きな部分はカットされたりしていますが、そんなの全然気にならなかった。ピアノの演奏シーンだけでも感動できるのは、何の話かまったく知らないのに連れて行ったうちの9歳の娘が「すごかった!感動した!」と驚いていたのが物語っています(笑)。

またキャストが素晴らしかったなぁ。栄伝亜夜役の松岡茉優さんってすごいですね。物語の亜夜より素敵で、見ているだけでも飽きない。ピアノの前の緊張感溢れる顔が、幼馴染に出会った瞬間、ふっとほどける様とか神がかっていた。

あと何より風間塵役の鈴鹿央士くんが、もう彼以外に塵は考えられないくらいのハマり役。この映画が役者デビューのようですが、この作品に出るために現れたようにも思えるほどピッタリでした。素晴らしく鳥肌たった。

いい映画でした。怖くもない、人も死なない。だから子供も一緒に行ける。でもわくわくどきどき。そんな映画を俺はもっと見たいですよ。

Superflyのライブで「フレア」の歌詞の意味を知った話

昨日、さいたまスーパーアリーナで「Superfly」のライブを見てきました。

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写真は、ライブの最後に会場に舞い降りてきた風船。一緒に行った娘と「ひとつ持ってかえろう」と我が家まで連れ帰ってきたのでした。さてこのライブの最後の歌が「フレア」だったのですが、この歌詞の意味を志帆さんに教えてもらって、いろいろ合点がいったり、感動したりしたので、ちょっとご紹介。フレア、ご存知ですか?


[スカーレット] 主題歌/Superfly「フレア」/タイトルバック映像 | NHK

朝ドラ「スカーレット」の主題歌ですね。さて、この朝ドラの主題歌の話をもらったとき「とても嬉しかった」という志帆さん。陶芸家の話ということで「炎」が思いつき、自分にとっての「炎」とは何かと考えたとき「好奇心」かなと思ったのだとか。

そして好奇心というのは、泉のように湧き出るものではなく、意識して努めないと消えてしまうものだというのです。

そっか! この炎って好奇心だったんだ!

こう思うとこの歌の意味が、すごくしっくり理解できるんです。歌中に「涙に負けない」とか「雨に負けない」とか「胸を焦がしたい」とか「優しい風に吹かれて」といったフレーズが出てきますが、これは好奇心という炎を絶やさないようにしたいという想いなのかと知れば、すごくわかるし、届いてくるんですよね。

たしかに好奇心って、大切に育むものだし、意識して持つものっていうのは、僕も仕事柄感じることもとても多い。なるほどなー! と、志帆さんがMCでこの話をしているときに感動したのでした。

炎は好奇心の炎。そう思って聞く「フレア」は格別で、またSuperflyの大切な曲ができた想いでした。

そうそう、昨日は9歳の娘と初めて一緒に行ったコンサートでもありました。5歳のとき「愛を込めて花束を」を聞いた娘が「この歌すき」といったので、家にあったCDを一緒に聞いたりして、いつか行こう!と思っていたライブについに一緒に行けました。一緒に歌った「愛を込めて花束を」は一生の思い出になったねぇ。また行こうねぇ。志帆さんは今30代半ばかな。これからずっとSuperflyの歌とともに大きくなるのかなぁ。彼女にとって初めてのコンサートは、とてもとても素晴らしいものでした。

仁和寺での「竜王戦」大盤解説会に参加してきました

昨日、実家の近くにある仁和寺竜王戦が行われるというので、プチ帰省も兼ねて大盤解説会に参加してきました。

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ドーン!京都の三大門のひとつに数えられる仁和寺の二王門。仁和寺宇多天皇が作ったもので寺の中に御殿がある。言ってしまえば御所みたいなところですから、ここで竜王戦が行われるのは本当にすごいことですよ。

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2時頃に着いたのですが、大盤解説会場はまだこんな感じ。ここで現地に観戦記を担当されている我らが高野先生(高野秀行六段)にお会いして、あちこち見て回ることに。

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こちらが皇室専用門。仁和寺には御殿があり、そこで対局が行われるのです。

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仁和寺の五重の塔。小さな頃は、このあたりでよく遊んだものでした。

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高野先生との散歩から帰ってくると、大盤解説会参加者と先生方での仁和寺ツアーがあったので参加。貴重なところも見せてもらって、いい時間でした。

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大盤は、村山慈明七段。「豊島さんは指すのが早いので、指していて長考させられると嬉しいんですよ」とおっしゃっていました(笑)。

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久保先生と畠山先生も大盤に。左利きの久保先生は封じ手開封用に、初めて左利き用のハサミを購入したのだとか。「これがとても切りやすい」とのこと(笑)。

大盤解説会って初めて参加したのですが、勉強にもなるし楽しいし、とてもいい時間でした。先ほど2日目が始まって、さて勝負の行方はいかに。

そういえば、高野先生が「ホテルの客室担当の方が『初段になれるかな会議』のファンだったんですよ!」と喜んでおられて嬉しかったなぁ。「会議」シリーズも、続編の作業にまた着手しますので、こちらも楽しみにしていてくださいませ。

将棋「初段になれるかな」会議 (扶桑社新書)

将棋「初段になれるかな」会議 (扶桑社新書)

 

 

松本遠征して自転車でスタジアムまで行ってみた

先週の日曜日、FC東京松本山雅FCと試合をするので、久しぶりに松本まで遠征してきました。

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きれいなスタジアム・アルウィン松本。そう、ここには一度きたことがありまして、2006年の7月22日、どういう理由か忘れたけど味スタが使えないとき、東京がここをホーム使用して鹿島と試合をしたことがあったんですね。そのとき、松本といえば松代が近く、そこにある佐久間象山の資料館とか観たいからと妻と遠征して行ったのです。だから実に13年ぶりのアルゥイン。今回は息子と行ってきました。

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13年前は、東京ホームだったからなかったんだよな。お約束の山雅ビールも今回初体験。普通に美味しいビールでしたよ。さて、今回の初挑戦は、松本駅から自転車でスタジアムまで行ってみよう大作戦。前回、シャトルバスに結構並んだのと、一緒に行った息子がバス酔いがひどいので、自転車にトライしてみました。

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使ったのは松本市が推奨の「HELLO CYCLING」。専用アプリをダウンロードして、そこからステーションに停めてある自転車を予約して使うというもの。1日1000円で電動アシスト自転車が使えるのはなかなかよいかもです。ただ使ってみると、ちょっと空気が抜けていたり、極端に汚れていたものがあったりと、メンテナンスはどうしているのかと少し疑問。雨ざらしのステーションに置きっ放しにするわけだから、そりゃ汚れるわね。ちなみに松本駅からは、休み休み道を探し探し行ったので、行きは1時間弱、帰りは40分というところでしょうか。試合が終わったらパッと帰れるので、そこはとてもいい快適ですよ。アウェイサポのみなさん、利用してみてはいかがでしょうか。

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やっとステーションに返却して嬉しい笑顔の息子です。今回は東京がアウェイ連戦なので、来月の磐田も行こうかなと画策中。息子が喜んでついてきてくれるうちは、精力的に行こう。楽しいね、アウェイ参戦。

久米宏さんの魅力が伝わってくる「ニュースステーションはザ・ベストテンだった」

6月に「久米宏 ラジオなんですけど」のゲストに呼んでいただいたとき、久米さんってすごいなー!と感じたんです。

まず控え室で待っていたとき、CMの合間に突然「こんにちは!」とやってこられたんですよ。突然現れたあの久米さんにこちらはビックリしつつも、緊張がほどけていってとても話しやすかった。あれは久米さん流のゲストとの距離感の作り方なんでしょうねぇ。

あと、やはり本をすごく読み込んでくださっていたことに驚いた。10冊以上もあるなか、どれにも付箋がびっしり。それゆえ、細かいところにまで話は及び、聞いてくださった人からも「すごく面白かった」と言ってもらえた。ま、僕は聞かれたことを、ポツポツと話していただけなんですけどね。(そして本もすごく売れたのです。一生懸命聞いてくださるラジオって、たびたびテレビより実売に結びつくことが多いんですよ)

それで、久米さんって、どういうスタイルで仕事をしてきたのかと興味が湧いて『久米宏です。 ニュースステーションザ・ベストテンだった』という本を読んだのですが、これが実に面白かった。

久米さんの今までの仕事について触れながら、半生を語るといった体裁なのですが、随所にあるインタビューへのこだわりがすごい。「他の人が聞いたことは聞かない」といったスタイルで、長いテレビ生活を送ってこられたことがよくわかった。僕も今まで聞かれたことのない話ばかりで驚いたですもん。久米スタイルは、今でも衰えることなく健在なんだと改めて感じいりました。あとこんな一文も印象的だった。

勘としかいえないが、人気を保つためには、6割の人に嫌われ、4割の人から好感を持たれるのがバランス的にいちばんだと僕は考えている。すべての人から好かれたいとは思わない。みんなに好かれていることは、実は誰にも好かれていないということだ。嫌いになる人がいるから、好きになってくれる人がいる。言い換えれば、嫌われる要素がなければ本当には好かれない。

テレビに出ていると、いろんな反応があるでしょうが、こういう考えて活動されてきたのかと思い至る。

あと、久米さんといえば、最近、NHKに出演して「NHKは国から予算をもらうべきではない」と、喝破されていて注目を集めましたが、それに類する、ニュースステーションの最終回で述べたというこんなことばがありました。

民間放送は原則としてスポンサーがなければ成立しません。そういう意味では脆弱で危険なんですが、僕はこの民間放送が大好きです。なぜなら戦後に生まれた日本の民間放送は戦争を知りません。国民を戦争に向かってミスリードしたという過去が民間放送にはありません。これからもそういうことがないことを祈っております」

なるほど。このような久米宏さん独自のいろんな考えが、往年の番組の面白いエピソードとともに語られる実に楽しい一冊。「乗りかかった船は全力で漕ぐ」という哲学のようで、この本も全力を出されたのだろう。構成を担当された方もかなりの凄腕とお見受けいたしました。傑作だと思います。個人的、タイトルとカバーの写真がもっとわかりやすいものであれば、すごく売れたんじゃないかと思ったけれど、実によい本。ラジオファンの方にも、激しくおすすめですよ。

「目でみることば」シリーズの次回作もきっと久米宏さんは見てくれるだろう。そこで唸らせるものを作らねばというのが、今の僕の大きな活力になっています。ありがとうございましたと改めてここで御礼を。

❇︎ラジオ出演時の模様は、以下のサイトにあります。よろしければ。

www.tbsradio.jp

 

京都で見かけた気になるもの

「くらべる京都」の取材を終えて、山出カメラマンは東京に戻りましたが、僕だけ京都散歩を続けておりました。そんなときに見つけたちょっと気になるものをご紹介。

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嵐電のホームでみかけたホーム直結の家。

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かまあげ蕎麦なるものをいただいたのですが、これって関東では相当珍しいですよね。

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秀吉が作ったという「御土居」の跡を初見学。昔とくらべるとずいぶん史跡の案内が増えてきた。

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この「4」がない駐車場って俺的にめっちゃ京都。

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印刷ができる本屋さん「堀川AC lab」も見学してきました。街に根付いて本という文化発信の拠点になってくれるといいな。

というわけでまた来ます京都。暑かった!

「くらべる京都」取材と【京都BOOKCON】

連日38度なんて感じの灼熱の京都で「くらべる」シリーズの次作の撮影を山出カメラマンと行ってきました。というわけで、次は「くらべる京都」です。

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いかにも暑そうな知恩院さん。ただ今回、京都各地の撮影に電動自電車を使ったのですが、これが快適でした。ささっと撮影スポットを回れる感じは、バスやタクシー移動にはない颯爽感がある。

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涼しいところにも行きました。

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素敵な鴨川の夕焼けにも遭遇。

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かっこいい立ち飲み屋さん。

そして昨日は、京都丸善さんでの【京都BOOKCON】におけるトークライブを山出カメラマンと無事務めて参りました。

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こんなブースも作っていただき感謝感謝。シリーズまた2作ほど年内、年明けと刊行予定ですので、よろしくお願いします。