おかべたかしの編集記

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文庫版『灘校・伝説の国語授業』

今日『灘校・伝説の国語授業』という文庫が発売になりました。

灘校・伝説の国語授業  本物の思考力が身につくスローリーディング (宝島SUGOI文庫)
 

著者は、『銀の匙』という薄い文庫本を3年かけて読むという型破りな授業を行ない、灘校を名門校へと押し上げた橋本武先生。先生が綴っておられた「銀の匙ノート」をもとに伝説の授業を再現したこの本は、単行本が2011年の暮れに出ました。その折には、僕もお手伝いをさせていただき、橋本先生に何度かお会いすることができとても嬉しかった。

先生は、120歳の大還暦まで生きるとおっしゃっていたのですが、2013年の9月に享年101で逝去されました。これを受け「追悼」という形でこの文庫が刊行されたのですが、この文庫版には巻末に黒岩祐治さんの「特別寄稿」が収録されています。現・神奈川県知事の黒岩さんは、橋本先生の教え子で、著書『恩師の条件』で先生を広く世間に知らしめた方でもあります。そんな黒岩さんが、橋本先生が亡くなったことを受け綴ったこの追悼文が、心に染みて素晴らしかった。その文は、次のように締めくくられています。

《101歳の長い人生で結局、最後に入院したのは1カ月だけで、その直前まで元気でピンピンされていた。最高に素晴らしい幸せな人生だったと思う。理想的な最期と言ってもいいだろう。今、橋本先生は鬼籍に入り、まさに正真正銘の伝説の人となった。その伝説を肌身で知る教え子の一人として、これからも橋本先生の教育にかけた思いを語り継いでいかなければと改めて感じている。そして、一人でも多く、私のように自分の習った先生のことを我が恩師として、のちのちまで語り継いでいきたくなる、そんな教育環境を作るために全力を注いでいきたいと強く思う次第である》

この寄稿を収録して、ますます良きものになったこの本。橋本先生の授業をご存知ない方がおられたら是非手にとってみてください。