おかべたかしの編集記

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「suitcase」と「trunk」の違い

間もなく発売の『似ている英語』を作る過程で「そんな違いがあったのか」と驚いたもののひとつが<「suitcase」(スーツケース)と「trunk」(トランク)の違い>です。そのポイントを実際の誌面を見ながら紹介してみます。

まずは、これが「suitcase」と「trunk」。『似ている英語』では38組のことばを紹介していますが、最初の見開きはすべてこのように写真だけで構成しています。これを見て「何が違うのか?」考えてみてください。

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「suitcase」と「trunk」は、しばしば「スーツケースの大きいのがトランク」とその違いが説明されているのですが、それだけでは不十分。もっと明確な違いがあり、それがこの写真からもわかるのです。答えを見てみましょう。ページをめくるとこんなことが書いてあります。

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少し見づらいですが、めくったところには、こんなタイトルが見えます。

「suitcase」=1人で持つ大型カバン

「trunk」=2人で持つ大型カバン。

そう両者の違いは「持つ人の数」であり、これはすなわちカバンの取手の数なのです。

trunkというものは、船旅の時代に活躍したカバンで、これは2人で持つものでした。それゆえ取手が前後に付いています。一方suitcaseは、船から飛行機へと時代が変わったとき、機内に持ち込むためにトランクを小型化したものなのです。今は飛行機の時代ですから、トランクというのは、ほぼ製造されることがないそうです。

この写真の「suitcase」と「trunk」はどちらもフランス製で、それぞれ20世紀後半と19世紀の貴重なもの。撮影を快諾くださり、カバンの歴史を説明いただいたのは、浅草にある「世界のカバン博物館」でした。4P目となる紙面では、このように取材協力いただいた場所の紹介をしており、ちょっとした観光ガイドといった一面も持ち合わせています。

『似ている英語』は、このように写真で直感的に違いがわかるのが大きな特長。パラパラめくるだけでも楽しめますし、英語教室の補助教材などにもご利用いただけると思います。発売は明後日6月3日です。

似ている英語

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