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おかべたかしの編集記

読書・執筆・育児の記録と、お知らせと。

『みかづき』(森絵都) <2017 読書1>

年末年始のお供にしていた森絵都さんの『みかづき』読了。昭和30年代、まだ塾に通っているというだけで白い目で見られるという時代(こんな時代があったことを僕は知りませんでした)に、千葉の片田舎で学習塾を立ち上げた夫婦。ここから孫の代に至るまでの三代記、大長編でした。

もう長編ミステリーなどは若干食傷気味で、こういった人生記こそ、これからたくさん読みたいと思った。さすが名手・森絵都さんは上手で、関心ある教育問題が中心ということもあり興味深く読めました。塾を立ち上げた初代の夫婦も魅力的ですが、平成の今を生きる、おっとりとした孫息子の成長ぶりが見ていて微笑ましい。

彼は、金銭的な理由で塾に来られない子どもたちの学習支援組織を作るのですが、そこで出会った、もともと同じような境遇だったスタッフのこんなことばが印象的でした。

《でも私、あのころの自分も、今のあの子たちも、かわいそうとは思ってません。お金はなくても、母親のど根性を見て育ったおかげで、私、裕福なうちの子にはない強さをもらえたと思ってますし、カズや真奈ちゃん見てても、そういう力、感じますもん。なんていうか、ほんまもんの『生きる力』?》

これからの時代、学力も大切だけど「生きる力」を育てる必要があるんじゃないかと思い至る。そしてこの本には「生きる力」が強い人がたくさん出てくるのです。

みかづき

みかづき

 

 ❇︎今年はこんな感じでメモ代わりの読書日記を続けていく予定です。ゆるりとおつきあいください。