おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

京都を歩くのが楽しくなる本

コロナウイルス騒動で、落ち着かない日々ですね。

騒動を受けて、京都の観光地も近年にないほど空いているとか。いつも混んでいる京都で辟易していた人も多いと思うので、これは逆にゆったりと京都を散策できるチャンスかもしれませんね。

『くらべる京都』でも書きましたが、京都は町を歩いて楽しいところです。京都は、明治以降に近代化を進めたことと、空襲の被害も少なかったことから、洋館や協会もたくさん残っています。寺社仏閣と洋館、そして鴨川。そして古くからある喫茶店と新しいカフェ、洋食屋。独自の進化をしている中華に、居酒屋、おばんざいのお店。ここにしかないものがたくさんあります。ぜひこれから春の陽気のなか京都を歩いて欲しい――。というわけで『くらべる京都』でも紹介した「町を歩きたくなる京都の本」をご紹介します。

 

 僕が好きな京都の本は、町を歩くのが楽しくなるものです。また京都の町を歩きたいな――。僕がそう感じた本をご紹介します。

 まず『京都カフェ散歩』(川口葉子・著/祥伝社黄金文庫)。副題に「喫茶都市をめぐる」とあるのですが、そう、京都は喫茶店が多い町。それも歴史ある名店と新しい店が混在しているところが魅力です。京都を歩くとき、この本をカバンに忍ばせておき、何か目的を終えたときパラパラめくって近くのカフェを探す――。これが楽しい。僕にとって、偶然のように素敵なカフェに導いてくれる本です。

『ひとり飲む、京都』(太田和彦・著/新潮文庫)は、著者である太田和彦さんが、夏と冬の1週間ずつ京都に滞在して町の酒場を巡った記録です。その間、寺社などの観光はいっさいせず、お酒を飲むだけですよ。もったいない! そんな声も聞こえてきそうですが、これが贅沢なのです。京都は、酒の酔いに身を任せて、ゆらゆら歩くだけでも楽しいんですよ。『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦・著/角川文庫)でも、京の町を歩く酔っ払いの描写が楽しいものなぁ。

 今回の本を作るうえで、とても参考になった一冊が『京都まちかど遺産めぐり』(千田稔 他・編著/ナカニシヤ出版)。タイトルからもわかるように、京都の町に何気なくある不思議なものにスポットを当て、それを遺産と称し紹介した本。本書でも触れた「ラジオ塔」だけでなく、その昔、夏まで氷を貯蔵していた「氷室跡」や「朱雀大路の痕跡」など、一般の本ではあまり扱っていない「京都の遺産」をわかりやすく解説してくれます。京都の町散策を、なんだか宝探しに変えてくれるような一冊です。

『戦争のなかの京都』(中西宏次・著/岩波ジュニア新書)も、京都の町を歩く時の視点を変えてくれる本です。昔から「京都には戦争被害がなかったと」いわれますが、実際には空襲もあり死者も出ています。この本を読むと、京都の町にもいろんな戦争の跡がある――。そんなことに気づかせてくれます。

 最後に紹介したいのが『マンガぼくらの京都』(淡交社)。京都の出版社・淡交社が主催した「ぼくらの京都 マンガコンテスト」に投稿された作品から選ばれた7作を収録したものですが、鍾馗さん、町家、鴨川など、そのテーマ群がとてもいい。多様なマンガを読んでいると、京都の町を新たな目で探索したくなってくるのがとてもいい。そして何より京都を舞台にしたマンガを公募するという心意気にしびれました。

 

ひとり飲む、京都 (新潮文庫)

ひとり飲む、京都 (新潮文庫)

 
戦争のなかの京都 (岩波ジュニア新書)

戦争のなかの京都 (岩波ジュニア新書)

  • 作者:中西 宏次
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 新書
 
マンガ ぼくらの京都 (淡交ムック)

マンガ ぼくらの京都 (淡交ムック)

  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: ムック
 
くらべる京都

くらべる京都

 

 

「くらべる京都」サイン会のご報告など

昨日の総理発言を受け、我が子たちが通う小中校は、来週の月曜日から2週間の休校に。これから2週間もどうやって過ごそうかねぇ。いろいろ不安で本のことなど忘れてしまいそうですが、普通の人はやれることをやったら、あとは本を読んだり勉強したり、心を豊かにすることをしましょうね。テレビの加熱報道ばかり見ないほうがいいですよ。

というわけで、25日に京都の大垣書店本店で山出カメラマンとトーク&サイン会をやってきましたので、ご報告です。

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以前からのファンというかたも駆けつけてくださり、とてもいい時間を過ごすことができました。

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バックナンバーもたくさん売ってくださりありがたいかぎり。大垣書店の本店、多ジャンルの本を魅力的に販売されていていいところです。四条烏丸の新しいビルの中、ぜひ足を運んでみてください。

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ふたば書房の御池ゼスト店で、パネル展をやってもらっているので、こちらも挨拶してきました。温和な店長さんとご挨拶できてよかった。

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明日で閉店というジュンク堂さんでも、エスカレーター脇で大きく展開してもらっていました。こちらも思い出深い書店。今までの感謝を込めて、いろいろ買ってきました。

いろいろ落ち着かない日々が続きますが、本はそんなときのいい相棒。読書の時間と考えてもらえたらいいですね。

では、ありがたいことだらけのサイン会報告でした。「くらべる京都」大変好評で嬉しく思っております。ぜひ手にとってくださいませ。

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honto.jp

『くらべる京都』発売&2/25に大垣書店本店でトーク&サイン会をやります

昨年の夏から撮影を始めていた「目でみることば」シリーズ第12弾となる『くらべる京都』がまもなく発売となります。やっとできた。

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カバー写真は「西寺」跡。京都の東寺といえば、誰もが知る京都を代表する観光名所ですが、平安京が作られたときには、この「東寺」と対をなす「西寺」があった。今は史跡柱が残るだけですが、ここがまたきれいでいいところなんですよ。西寺を見学してから東寺を見れば、平安時代の京都がより豊かに想像できること間違いなし。

このようなアプローチを

「くらべて見つける京都の魅力」

とサブタイトルで名付けましたが、この狙いがよく生きたいい本になったと思います。

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京都の橋といえば「三条大橋」ですが「七条大橋」がこんなに素敵だなんてご存知でした?

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こんな見てたのしい「くらべる」は、京都の中だけでなく、他府県も対象にしています。たとえば千葉にある祇園

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この素朴でキュートな祇園、いいですよね。一目惚れしました。

また同じ千葉県に鴨川市というのがありますが、この名前は当地を流れる川が、京都の鴨川に似ていることがその由来とされています。でも「どこからの眺めが似ている」という定説はないというので、京都出身の私が、「じゃあどこが似ているのか調べてみよう」と行ってきました。

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ここなんか似てますよね。

このようにいろんな角度から京都を見てみた「くらべる京都」。週末には書店の店頭に並ぶかな。ぜひよろしくお願いします。それで発売を記念して、京都の四条烏丸にある大垣書店の本店で、トーク&サイン会を2月25日の火曜日に行います。

詳細はこちら。

www.books-ogaki.co.jp

山出カメラマンと、取材秘話などいろいろお話しますので、ぜひお越しくださいませ。

『くらべる京都』発売&2/25に大垣書店本店でトーク&サイン会をやります

昨年の夏から撮影を始めていた「目でみることば」シリーズ第12弾となる『くらべる京都』がまもなく発売となります。やっとできた。

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カバー写真は「西寺」跡。京都の東寺といえば、誰もが知る京都を代表する観光名所ですが、平安京が作られたときには、この「東寺」と対をなす「西寺」があった。今は史跡柱が残るだけですが、ここがまたきれいでいいところなんですよ。西寺を見学してから東寺を見れば、平安時代の京都がより豊かに想像できること間違いなし。

このようなアプローチを

「くらべて見つける京都の魅力」

とサブタイトルで名付けましたが、この狙いがよく生きたいい本になったと思います。

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京都の橋といえば「三条大橋」ですが「七条大橋」がこんなに素敵だなんてご存知でした?

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こんな見てたのしい「くらべる」は、京都の中だけでなく、他府県も対象にしています。たとえば千葉にある祇園

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この素朴でキュートな祇園、いいですよね。一目惚れしました。

また同じ千葉県に鴨川市というのがありますが、この名前は当地を流れる川が、京都の鴨川に似ていることがその由来とされています。でも「どこからの眺めが似ている」という定説はないというので、京都出身の私が、「じゃあどこが似ているのか調べてみよう」と行ってきました。

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ここなんか似てますよね。

このようにいろんな角度から京都を見てみた「くらべる京都」。週末には書店の店頭に並ぶかな。ぜひよろしくお願いします。それで発売を記念して、京都の四条烏丸にある大垣書店の本店で、トーク&サイン会を2月25日の火曜日に行います。

詳細はこちら。

www.books-ogaki.co.jp

山出カメラマンと、取材秘話などいろいろお話しますので、ぜひお越しくださいませ。

高野秀行六段インタビュー&藤井聡太戦

今日は、これから我らが高野秀行六段と藤井聡太七段の注目の対局が行われます。そこで先日、その意気込みなどを聞いた高野先生のインタビューがアップされました。

bunshun.jpインタビュー場所は、先生と僕がよくお世話になっている経堂の「さばのゆ」さん。いつもの場所で、いつものように楽しく話を聞く。先生は、たとえ話が面白いので、それをつらつらと書いた。今日の対局が、少しでも多くの人にとって楽しみになればと、対局の前日にアップしましょうとは担当さんのアイデアですが、その考えがドンピシャ当たって、とても多くの人に読まれているようでとても嬉しく思っています。

ツイッターなどでも高野先生を応援するメッセージがたくさんあって嬉しいかぎり。天才棋士との対局に向けて努力するという物語に、多くの人が自分を投影したり、がんばれって思ってくれたのかな。

藤井聡太の将棋は、僕もずっと見ていていつも応援している。ただ今日は、先生を応援。どんな結果になっても、大きな拍手を、大阪で対局している先生に送ろう。今日は、仕事は片手間に、ぞんぶんに将棋を楽しみます。

 

『くらべる東西』台湾版『日本大不同』

気づけばもう2月!早いですねー。バタバタ作業をしていた『くらべる京都』ですが、ようやくフィニッシュ間近。2月末には出ますので、また告知しますね。告知といえば『くらべる東西』『くらべる日本』の台湾版が出ました。タイトルは『日本大不同』。

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それぞれ日本版と一緒にアップしましたが、カバーデザインがなかなか素敵。なんでも、現地のデザイナーさんが、デザインしてくださったようですが、僕らの発想にない感性で、刺激を受けました。日本人でもあまり知らないような違いに着目した本を台湾の人は、どこまで楽しんでくれるのか興味津々。いつか、この本を持った人に出会いたいものです。

今月末には『くらべる京都』のイベントを京都でやる予定で、こちらもまた告知します。そして、続編も作業中でこちらも春頃には出るかなー。いろいろありますが頑張っております。