いよいよ夏休みですが、夏休みといえば「自由研究」。子どもの頃は、ひたすら面倒という印象ばかりですが、大人になってみると、なんか楽しそうだし、自分もやってみたいと思う人も多いのではないでしょうか。かくいう僕もそうでして、まあ、企画たてて本を作るなんて、ずっと自由研究をやっているようなもので、いわば自由研究が僕の仕事かもしれません。
さて、そんな自由研究を生業としている僕からのお勧め自由研究は「目でみることば」。発刊後、いろんな方からも「これ、子どもの自由研究にいいですね」と言っていただいたので、その概要とコツをちょっとまとめてみます。
まず、『目でみることば』とはなんぞやというと、たとえば「引っ張りだこ」ということばが「人気のあること」を意味するということは、小学生でも知っているでしょう。でも、「引っ張りだこってどんなタコ?」となると、先生でも知らないのではないでしょうか。それはこんなタコです。
また、たとえば「試金石」ということばが「実力を推し量るもの」という意味であることは、これまた小学生でも知っているでしょうが、「ではそれはどんな石?」と問われると、なかなか知らない。それはこんな石です。
これに金をこすりつけ、その痕で金の純度を判定するのです。
またまたたとえば「調子に乗って度を過ごす」ことを「羽目を外す」といいますが、この「羽目」とはなにかといえば、こんなものです。
これ馬の口にくわえさせるものなんですよね。
このように、日常、何気なく使っていることばの「元となったもの」に意識を向けて、その姿を写真に撮ってみる。これが「目でみることば」です。
上記の3点は、写真に撮って面白いものを選んでおり、なかなか子どもたちが、ここまで撮れないかもしれません。ただ、もっと身近なものにも「目でみることば」はあります。たとえば「松葉杖」と言いますが、この松葉とは何か?
このように、まさにそのまま松の葉なのですが、たしかに枝が二股に分かれている。意外とこういうところに意識って向いてないですよね。
他にも、写真に撮れずとも、調べれば面白いことばの不思議はたくさんあります。
たとえば「茶色」っていうけど、茶は緑のような気がするけど、なぜあんな色を指すのか?
調べると、上記のような答えが出てきて、けっこう意外。「椎茸」の「椎」とはなに?「杏仁豆腐」の「杏仁」って何? 「葛藤」ってなぜ葛と藤が出てくるの?
こういった素朴な疑問を集めていくと、きっと面白い自由研究ができると思います。ことばが好きな子どもたち、挑戦してみてはいかがでしょうか。
より詳しく知りたい方は、下記の本を参照ください。
子ども向けの「ずかん」もあります。