2月1日に浅草の老舗すき焼き店「ちんや」さんで開催された「適サシ肉宣言一周年記念 この辺りでもう一度肉のことを考えてみる会」に参加してきました。
過剰な霜降り肉が尊ばれる傾向にあるなか、「ちんや」さんで「適度にサシの入った肉を提供します」というPRとしてちょうど1年前に宣言されたのがこの「適サシ肉宣言」。この宣言から1年を経て、改めて肉のことを考えようというシンポジウムとすき焼きを食べる会という2部構成でした。
シンポジウムの様子。奥から2人目が「ちんや」のご主人の住吉さん。お肉業界のお歴々がお話しされるなか、個人的な感動は、奥におられる向笠千恵子さんのお話でした。向笠さんといえば、この朝ごはんの本。
僕の中で「地方食」の面白さを認識した大きなきっかけとなった一冊でした。丁寧な取材ぶりも含めて大変尊敬していたのですが、今回のお話しでも凛とされていて素晴らしかった。「すき焼きでは、仲居さんの技も見逃せない。彼女たちがすき焼きのヒロインで、彼女のたちの後継者が育たなくてはすき焼き文化は廃れる」とおっしゃっていたのが、かっこよかったです。素晴らしい文筆家の先人にお会いすることができて、とてもよい機会になりました。
こちらの向笠千恵子さんによる「すき焼き本 」もとても面白いので、ぜひ手にとってみてください。
今回もおいしいお肉でした。このような昔から愛されている肉は「小豆色」とされています。美味しさの本質。それを支えてきた各地方に根ざす文化。大事にしていきたいテーマですね。