おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

日本最高の史跡「関ケ原」ルポ

今日9月15日は関ヶ原の戦いがあった日なので『目でみる日本史』に掲載した「関ヶ原レポート」を再編集して紹介しておきます。言いたいことはひとつで、関ヶ原は最高の史跡!ということですよ。こんなワクワクするところは、なかなか他にありません。ぜひみんな笹尾山と松尾山に登りましょう。

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 関ケ原に着いた私たちがまず向かったのは、「岐阜関ケ原古戦場記念館」。

ここは、家康が最後に陣を置いたという「陣場野公園」に隣接し、関ヶ原の合戦場のほぼ中心地に位置する記念館です。中には関ヶ原の戦いの概要がわかる展示がされているだけでなく、最上階は展望室になっていて関ヶ原が一望できますし、カフェスペースでは、関ケ原の戦いをモチーフにした食事も提供されています。私は「戦略武将カレー」を注文。時間もないので一気呵成に食べ終えて、さっそく石田三成が布陣した「笹尾山」に行くことにしました。車に乗れば数分で麓の駐車場に着き、登ること5分で展望所に着きます。こちらが麓。おー!なんか雰囲気あっていいぞ。

そして登ること5分で展望所に着きます。ここからの景色がサイコー!

そして「関ケ原」のイメージがガラッと変わります。「関ケ原」という場所は、その「原」ということばから、平原をイメージするのではないでしょうか。栃木県日光市の「戦場ヶ原」など、それは広大な湿原平野でしたが、実際の「関ケ原」は山々に囲まれており、なかでも主戦場になった一帯は、山間の盆地のようなところです。また、先ほどまでいた「岐阜関ケ原古戦場記念館」が、すぐそこに見えることにも驚きます。この三成と家康の距離感を体感できることが、ここに来る最大の価値ではないでしょうかね。

時代を感じさせる史跡表示柱もかっこよかったです。そうそうここで嵐の松本潤さんをお見かけしたのもよき思い出。大河の勉強で来られていたんだなー。

さて次に向かったのが、小早川秀秋が布陣したという松尾山です。笹尾山から車で10分ほどで登山口に到着。その駐車場に「松尾山へようこそ 杖をついて登ってください 楽ですよ」と杖が置かれていたので、有り難くお借りして登山開始。ここはすぐに登れた笹尾山とちがって、山頂までおよそ40分かかります。本当にこんな距離を歩いて1万5千といわれる軍勢が登ったのか。その人たちのトイレはどうしたのか。そんな素朴な疑問を山出カメラマンと話しながら登るとようやく頂上が見えてきた。

こちらからの眺めもいいんですよ。

石田三成が登った笹尾山にくらべてずいぶんと歩きましたので、当然のように家康軍がいた場所もずいぶん遠くに見えます。こんな遠くから秀秋くんは「本当に裏切るべきか」と思い悩んでいたのかのか……。これもここまで来たからこそ抱ける感慨です。同じ戦場とはいえ石田三成小早川秀秋はこんなにちがう景色を見ていたということも、ここに来たからこそ感じられることです。おそらく関ケ原に来た人でも、この松尾山の山頂まで来る人は、ごく一部だと思いますが、ここに登らずして関ケ原を去るのは実にもったいない。ぜひ登ってくださいね。

というわけで今でも思い出すと、あの日の興奮が蘇る関ヶ原。他のロケを同日にやっていたので、あまり長く滞在できなかったのですが、今度はレンタサイクルで、方々を丁寧に回ってみたいものです。将棋ファンのみなさんには10月9日に将棋サミットなるイベントがあるみたいなので、行かれてみてはいかがでしょうか。

www.shogi-summit2022.jp

また関ヶ原の旅の気分を盛り上げるためには、こちらの「目でみる日本史」もどうぞ。