NHKEテレの『100分de名著』で、遅ればせながら見た『フランケンシュタイン』の回が、過去最高に面白かったので、備忘録を兼ねてメモしておきます。
そもそも『フランケンシュタイン』が名著であるという認識がないですよね。でも、これが示唆に富むまさに名著であるんですが、そもそもこの作品について、我々が誤解していることがたくさんあって、まずそこに驚いた。
◎作者はメアリー・シェリーという若き女性であること。
◎「フランケンシュタイン」というのは、怪物の名前でなく、怪物を作った科学者の名前であること。
◎怪物には、名前がないこと。
◎怪物は、たくさんの本を読み、非常に博学であること。
フランケンシュタインって『怪物くん』で「フンガーフンガーフランケン」と言ってる〝うどの大木〟という認識しかなかったんだけど、まったく違うんですね。
それで、この話がまた深い。
フランケンシュタインという科学者は、探究心から死体をつなぎ合わせて怪物を作り上げる。しかし、怪物を忌み嫌いこれを捨てると、捨てられた怪物はフランケンシュタインに復讐に来る。ここで怪物は「俺の伴侶となるべき女の怪物を作れ」と命じ、フランケンシュタインはこれに従うけれど、完成の間近になると発作的にこれを壊す。そして最後には、フランケンシュタインは怪物に――というお話。
怪物は中でこんなことを言う。
《創造主であるおまえが、被造物のおれを嫌って踏みつけにするのか?<中略>おれを殺そうというのだな。どうしてそんなに命をもてあそぶことができるのだ?おれに対する義務を果たすがよい》
科学というものが、永遠に持ち続けねばならない課題を、人間に突きつけているんですね。深いなー。実に深い。100分間、驚きと感嘆の連続のまさに神回でした。
メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』 2015年2月 (100分 de 名著)
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テキストもいいけど、このあたりを読んでみようかな。
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