おかべたかしの編集記

読書・執筆・育児の記録と、お知らせと。

「ちんや」の食べくらべ会の報告&「さばのゆ」の食べくらべ会リターン

9月30日に《『くらべる値段』刊行記念 浅草「ちんや」の「適サシ肉」と「赤身肉」を食べくらべる会》を開催しました。『くらべる値段』で「すき焼き」の値段を比較したところ……

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この取材にご協力いただいたすき焼きの老舗「ちんや」さんから声をかけていただき、簡単なトークショーと、この二つのお肉を食べくらべる会の開催となったのです。

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24人の方にお集まりいただき楽しい会となりました。ご参加いただいた方、ありがとうございました。ちんやさんについては以下のサイトをご覧ください。

== Sukiyaki C H I N Y A ==

そうそう「ちんや」という名前ですが、こんな犬に由来するのご存知でしょうか。

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これ『目でみる漢字』という本で撮影した「チン」という犬です。チンは「狆」とけものへんに「中」と書くのですが、これは動物は外で飼うのが当たり前だった時代に、家の中で飼うために生まれた犬種ゆえのこと。だから狆は、ほとんど鳴かないし、匂いもしません。取材に行った時も、大人しかったなぁ。「ちんや」という名前は、創業当時、この「狆」という犬のブリーダー的な仕事をしていたことに由来するそうです。

さて食べくらべ会、引き続きさせてもらうことになり、10月13日の金曜日、経堂の「さばのゆ」さんでは「美味しい海苔」などを食べくらべる手巻き寿司の会をやります。こちらはカウンターで、のんびり、ゆるりとした会ですので、お時間ありましたらお立ち寄りくださいませ。詳細、以下「さばのゆ」のサイトからどうぞ。

くらべる値段

くらべる値段

 
目でみる漢字

目でみる漢字

 

『ひよっこ』素晴らしかった!

備忘録として書いておきますが、NHKの朝の連ドラ『ひよっこ』素晴らしかった!

今まで見た朝ドラのなかで、もっとも楽しかった。サイコーでした。

 

みね子が東京に出てきて、乙女寮に入ったとき、きっと「悪い奴」が出てくると思ったけど、みんないい子だった。いい子たちのすれ違いや感情のもつれはあるけれど、いい子だ。いい子だけでもしっかりと物語は成立することを、天下に知らしめてくれた気がする。素晴らしかった! サンキュー!ひよっこ

 

全国の「生産」と「消費」のデータが面白い

生産量の日本一については、ジャガイモが北海道だったり、米が新潟だったりというのは、わりとみんな知っていると思います。でも消費量の日本一というのは、意外と知らない。産業という観点で見れば「生産量」に着目すべきで、学校で習うのは主にこちら。でも文化という観点で見れば「消費量」に着目すべきですが、これってなかなか教わらないですよね。『調べる!47都道府県 生産と消費で見る日本』という本に、消費のデータがたくさん出ていて、とても面白かったのでいくつかご紹介します。*消費のデータは2014年から2016年の平均とのこと。

調べる!47都道府県 2017年改訂版: 生産と消費で見る日本

調べる!47都道府県 2017年改訂版: 生産と消費で見る日本

 

 <米>消費1位=静岡県

<さつまいも>消費1位=徳島県。2位=茨城県

<じゃがいも>消費1位=新潟県

<だいこん>消費1位=岩手県

<にんじん>消費1位=沖縄県

<さといも>消費1位=新潟県。2位=大分県。3位=山形県

<はくさい>消費1位=大阪府

<キャベツ>消費1位=長野県

<ほうれんそう>消費1位=岩手県

<ねぎ>消費1位=秋田県

<たまねぎ>消費1位=北海道

<レタス>消費1位=神奈川県

<きゅうり>消費1位=栃木県

<トマト>消費1位=新潟県

<ピーマン>消費1位=埼玉県

<かぼちゃ>消費1位=鹿児島県

<ごぼう>消費1位=宮城県

<れんこん>消費1位=佐賀県

<たけのこ>消費1位=長野県

とりあえずめぼしい野菜をいろいろと。にんじんの消費1位が沖縄というのは「にんじんしりしり」という郷土料理の存在があるからでしょうね。さといもの山形県3位というのは「芋煮」。でもそのほかは、どういう背景があるのかよくわかりません。これからおいおい調べていきたいと思います。ちなみに、果物の消費1位というのは、だいたい生産1位と同じところ。果物は生産の歴史が浅いのと、輸送するのが難しかった時代が長かったからでしょうね。魚介類も、概ね産地と消費の1位は同じなのですが、このように野菜は産地と消費の1位が違うのが興味深い。他の品目でいえばこんなところも気になるかな。

<牛乳>消費1位=滋賀県

<鶏卵>消費1位=鳥取県

なぜ滋賀県の人は牛乳をたくさん飲むのでしょうか^^

こういうデータから、調査して事実を知るのは、なんとも楽しいものです。

素晴らしき千円万年筆「カクノ」

『くらべる値段』の取材で出会った品々で、僕がもっとも愛用しているのが、千円の万年筆「カクノ」です。

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写真が千円と1万円の万年筆ですが、これだけの価格差を生み出す最大の要因は、ペン先の素材の違い。1万円のものはペン先が金。柔軟性がある金は万年筆のペン先に最適なのですが、やっぱり高価ゆえに、多くの人が使うに至らない。万年筆のユーザーは、このままだと先細りの一途。「ならば千円の万年筆を作ってみたらどうだろう」。こんな着想から、パイロット社が作ったのがこの「カクノ」です。ペン先をステンレスにして部品も最小限に留めたことで実現したこの価格ですが、これがカジュアルに使えるうえ、万年筆の書く楽しさが十二分に発揮されていて素晴らしい。ポンとペンケースに入れるにはこれくらいラフなほうがかえって似合うくらい。万年筆って、達筆でなくても文字に味があっていいですよね。

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サインもカクノで書いております^^

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 カラーバリエーションも豊富。ぜひどうぞ(撮影:山出高士)

《明日9/9(土)15:05~15:50 NHK総合》で「中部境界線ワンダーランド」全国放送されます!

春先に我々「おかべ&山出」の「くらべる東西」コンビがロケ参加してきたNHK津制作の「中部境界線ワンダーランド」。7月に中部地方限定放送されたのですが、評判よかったようで、なんと全国放送が決定しました! 放送は《9/9(土)15:05~15:50 NHK総合》ってことで明日!「関東の文化と関西の文化の境界線はどこに?」という素朴な疑問を解決すべく、いろんな調査を行っていますのでぜひご覧くださいませ! ちなみに僕らの出番はあっという間に終わります^^

f:id:okataco:20170610123007j:plain写真は、この取材の帰途、立ち寄った金沢の近江町市場にあった「魚屋さん立ち飲み」。ケースのネタから魚を選んで飲めます。天国でした。

みなもと太郎『マンガの歴史』が名作でした

先月のことになりますが、東京に雹が降った8月のある日。みなもと太郎先生の画業50周年を祝うパーティーが行われました。

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新春にみなもと先生の『風雲児たち』がNHKでドラマ化されることもあるのでしょう。脚本の三谷幸喜さん、主演の片岡愛之助さんからもお花が届いておりました(杏さんは、いわずとしれた『風雲児たち』の大ファン)。さてそんな盛大なパーティーのお土産にいただいたのがこの本です。

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 みなもと先生は、以前より「マンガ研究家」として、いろいろ発信されていたのですが、僕自身、それほどマンガの歴史に深く興味をもったことがなかったので、いい機会にと読んでみました。「マンガの歴史」ですから、少なからずのお勉強感もあるだろうと思っていたのですが、そんな不安は冒頭のこんな一節で吹き飛びます。

《初めにご紹介したいのは、円山応挙という人です。円山応挙は、一七三三年に生まれ、一七九五年に亡くなった江戸時代の絵師です。今から二五〇年くらい前に活躍していた人ですね。この円山応挙の作品に「子犬の絵」がいくつかあるのですが、これがなんともいえず「かわいい」のです。インターネットで「円山応挙 犬」で検索するとすぐ出てきますので、ぜひ実物を見てください》

マンガの歴史が「円山応挙」から始まる! この驚きとキャッチーさ。ちなみに円山応挙の犬は、こんな本の表紙にもなっています。

かわいい江戸絵画

かわいい江戸絵画

 

 そして読み進めるうちにわかってきますが、これはみなもと太郎の文章版「風雲児たち@マンガ」なのです。『風雲児たち』を作成するときにベースになるのは、今も昔も年表。時系列を追って、丹念に「何が起こった」かを探っていき、人があまり気づかない縦糸と横糸を編み込んでいくーーそんな面白さが『風雲児たち』にはあるのですが、その醍醐味がこの本にもある。

《ところで、なぜ戦後についての章なのに、戦前のことを延々述べているかというと、戦前と戦後というのはそこでぷっつり途切れているわけではないからです。そこはやっぱり地続きなんですね。戦後になったからといって百八十度世界が変わるわけではありません。いや、実際変わったと実感する人は多く、それほど変化は大きかったんですけど、マンガを取り巻く状況はすぐに変わったというわけではありませんでした。》

この一文など『風雲児たち』そのもの。時代を丹念に追いかけるみなもと節は、この文章版「『風雲児たち』でも、大いに健在というか、より一層顕在化している印象です。

《「歴史というのは必ずしも有名な人たちだけが作っているわけではない」ということです。有名な人たちの陰に隠れた名もなき人々が、実はとても重要な役割を果たしているのです。》

これは「はじめに」の冒頭文ですが、このように『風雲児たち』の精神がこの本でも大いに生きているのです。さて「いつ終わるのだろう?」というのも『風雲児たち』同様、この『マンガの歴史』にもありまして、この「1」では、「終戦まで」から「『W3』事件と『巨人の星』まで」の全八章。今後、巻を重ねていくのでしょうが、どこまで続くのかも実に楽しみ。時代を整理する能力。それをうまく語る能力。魅せどころを外さない勘所など、マンガ研究家としてのみなもと太郎も実に素晴らしく、多くの人に勧めたい傑作でした。あと、この「岩崎調べる学習新書」というレーベルの素晴らしさについても触れておきます。

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これ、本を開いたところなのですが、このようにしならずにパキっと開く。これ「コデックス装」というんですね。先日買ったこんな本も同じような仕様でした。

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これは「魔法の閉じないブック」製法!という謳い文句に惹かれた買ったこんな本。

レシピ本などは、この「閉じない製法」を使うのは自然な流れでしょう。でもこの「マンガの歴史」で用いたことも個人的には大正解だと思いました。置いたままで読めるというのは、思いのほか楽ですし、そこから引用して僕のようにブログを書いたりするのにもとても便利。こういった製本技術を用いたことだけでなく、レイアウトも実に読みやすく、文字だけの単行本でありながら、とれもよく考えられているレーベルだと思いました。版元の岩崎書店は、あの『もしドラ』作者の岩崎夏海さんなんですね。これから「マンガの歴史」以外にも注目したい素晴らしいシリーズでした。

岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1

岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1

 

 *拙著の『風雲児たちガイドブック』も『風雲児たち』を俯瞰するのにご覧ください。

風雲児たちガイドブック 解体新書 (SPコミックス)

風雲児たちガイドブック 解体新書 (SPコミックス)

 

 

『くらべる値段』刊行記念 浅草「ちんや」の「適サシ肉」と「赤身肉」を食べくらべる会

おかげさまで8月の新刊『くらべる値段』好評いただいております。それで嬉しいことに、取材先のひとつでもあります明治13年創業のすき焼き専門店・浅草「ちんや」さん(http://www.chinya.co.jp/)にて、著者と店主のトークショー、および同書でも紹介されました「適サシ肉」と「赤身肉」のすき焼きを食べくらべる会を開催させていただくこととなりました。*こちらの申し込みは締め切らせていただきました。

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(写真・山出高士)

これが1人前9900円の「適サシ肉」(写真は2人前)。「適サシ肉」とは「適度な霜降肉」のことで、サシが過剰に入った肉を期待されないようにと「ちんや」が平成29年2月6日に商標登録したことばです。サシの量が50%から多いところでは70%を超える「霜降り肉」もあるなか「ちんや」ではサシの量が肉全体の30%ほどのものを「適サシ肉」として提供しています。「ちんや」が「適サシ肉宣言」をしたときは、テレビ、ネットなどで大きな注目を集めました。

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(写真・山出高士)

こちらが1人前5500円の赤身肉(写真は2人前)。食べくらべると、どのような違いを感じるでしょうか。興味のある方、ぜひご参加くださいませ。イベントの概要、以下になります。*こちらの申し込みは締め切らせていただきました。

 

『くらべる値段』刊行記念 

浅草「ちんや」の「適サシ肉」と「赤身肉」を食べくらべる会

<日時>9月30日(土曜日)16時受付開始/16時30分トークショー開始/17時30分から19時30分まで「食べくらべる会」
<会場>浅草ちんや(東京都台東区浅草1−3−4/東京メトロ銀座線「浅草駅」より徒歩1分。都営地下鉄浅草線「浅草駅」より徒歩3分。つくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩12分)
<会費>9.500円(ビール小瓶またはソフトドリンク1本付き/通常10,480円のところ特別価格)。当日、お支払いください。
<申し込み方法>
お名前、年齢、ご連絡先(メールor電話)を明記の上、メールにてお申し込みください。申し込み先アドレス<spoonbooks-to@yahoo.co.jp> (2名〜4名での参加も可能です。複数参加を希望の方は、参加されるすべての方のお名前をお願いします)
*席は和室の座敷席となります。他のお客様と一緒の鍋ですき焼きを召し上がっていただきますが、その配席は主催者にご一任いただきます。
*申し込みの締め切りは手配の関係で9月23日(土)となります。なお定員になり次第、受付終了となりますので、こちらもご了承くださいませ。
*当日参加者様の画像をネットにUPする場合は、必ずご本人の承諾を得て下さるようにお願い致します。
<主催>株式会社ちんや/有限会社SPOON BOOKS 

トークショー概要】
<登壇>著述家・おかべたかし&「ちんや」六代目・住吉史彦
<題目>世にも不思議な「値付け」の秘密
<内容>東京書籍より刊行された『くらべる値段』で、バナナから椎茸、盆栽に至るまで、34品目の「安いと高いは何が違う?」を取材した著者が、多様な値付けの仕組みについて語ります。また「適サシ肉」宣言を行なった「ちんや」六代目の住吉史彦が、肉の値付けの仕組みから「霜降り肉」という表記を「適サシ肉」に変えた経緯について話します。どうぞご期待下さい。

【登壇者略歴】
<おかべたかし>
1972年京都市生まれ。1991年立命館高等学校卒業。1995年早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経て、著述家、編集者として活動。2013年に刊行した『目でみることば』(写真・山出高士/東京書籍)がヒット。以降、シリーズ9作を数える人気シリーズとなる。主な著書に『くらべる東西』『くらべる時代 昭和と平成』『似ていることば』(すべて東京書籍)『基礎教養 日本史の英雄』(扶桑社)、『ブログ進化論—なぜ人は日記を晒すのかー』(講談社+α新書)。現在(有)SPOON BOOKS代表。《次の世代に伝えたい知恵と生活。》を社是として、地域文化、歴史、ことばなどの分野を中心に著作活動を行なっている。

<住吉史彦>
1965年東京都浅草生まれ。1971年浅草寺幼稚園卒園。1978年台東区立浅草小学校卒業。1988年慶應義塾大学卒業。2001年「ちんや」六代目を継承。2010年3月1日に開設したブログ「浅草ちんや六代目のすき焼きフルな日々」(http://chinya-blog.com/)は、今日に至るまで一日も休まず更新中。2017年1月15日に「霜降り肉」という表記を「適サシ肉」に改めるという宣言をし、大きな注目を集める。浅草広小路に在勤&在住し、このニッポンに再びすき焼き文化を広めんと奮闘中。現在「国際観光日本レストラン協会理事・関東支部支部長」「家畜改良技術研究所『牛肉のおいしさ総合評価指標開発事業』推進検討委員「『すきや連』旗振り役兼事務局長」「浅草料理飲食業組合・副組合長」「慶應義塾『料飲三田会』」会長を務める。

 

以上です。すき焼き煮えるとこんなに美味しそうですよ。

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(写真・山出高士)

本も引き続きよろしくお願いします。ウェブマガジン『スローなコメディにしてくれ』でも紹介いただきました!感謝!

www.slowcomedy.tv

くらべる値段

くらべる値段