おかべたかしの編集記

読書・執筆・育児の記録と、お知らせと。

<我々が人々を叱責するのは優越感にひたるため>『悩める君に贈るガツンとくる言葉』

敬愛する石原壮一郎さんのこの本に、記しておきたい言葉がありましたのでご紹介。

悩める君に贈るガツンとくる言葉 (大人養成講座)

悩める君に贈るガツンとくる言葉 (大人養成講座)

 

 いろんな方のお悩みに対して、賢人41人の金言をもって回答していくというスタイルですが、なかでも印象に残ったのが、フランスの文学者ラ・ロシュフコーのこんなお言葉でした。

我々が過ちを犯した人々を叱責するときの動機は、どちらかというと善意よりも傲慢によることの方が多い。つまり相手の過ちを正すからというより、自分だったらそんな過ちはけっして仕出かさないということを誇示し、優越感にひたるためにする。

この本は、もともとネット連載されたものをまとめられたこともあり、このようなネット社会への警鐘が印象的。「ネットの中で大暴れする快感に日々溺れている」という相談者にはスティーブン・キングのこんな言葉を引いておられます。

ウンコ投げ競争の優勝者は、手がいちばん汚れていない人間だ。

ここ数年で一気に誰もが発信できる時代になりました。一気に車社会になった昭和30年代、それこそ「交通戦争」などと呼ばれたときは、交通事故の死者数がとんでもないことになっていた。今は、そんな時代に似ているように思います。誰もが発信できるようになったからこそ、発信することの意味、ルール、安全のために必要なことを、こういった著作などから学んでいきたいですね。そんなとき「ルール」ではなく「マナー」として定着させられればなぁと。

この原稿で、書店「Title」の辻山さんが《マナーは明文化されないところにその価値があります》と書いておられた。今後「発信するマナー」が醸成していくことを願うばかりです。

あけましておめでとうございます&新春時代劇『風雲児たち』

あけましておめでとうございます。さて、新年早々ですが、今日放送だった新春時代劇『風雲児たち 蘭学革命篇』が素晴らしかったのでメモっておきますが、みなもと太郎先生の『風雲児たち』を、三谷幸喜さんが脚本を担当した今日のドラマ。大傑作だったのではないでしょうか!

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苦難続きの『解体新書』の翻訳。漫画ではこのように描かれていますが、原作の良さを抑えつつも、ドラマらしさも表現されていてさすがでした。次女がたびたびお茶をもって「はかどりました?」と尋ねるシーンも上手に再現されていてよかった。

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この漫画の名場面も上手に変換されていて、原作ファンも大満足の出来だったのではないでしょうか。

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この強情な前野良沢を、片岡愛之助さんが実に上手に演じられておられた。おそらく漫画を何度も何度もご覧になったのではないでしょうか。表情の一端、一端の再現度が素晴らしかったです! 僕の大好きな解体新書の挿絵を担当した小田野直武も登場。彼はこんな絵画も手がけているんですよ。『東叡山不忍池』。

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僕もそうですが、この人のことを『風雲児たち』で知った人は多いのではないでしょうか。昨年小田野直武展があったのですが、風雲児たちファンも大勢来てた。この人のこと、もっと知って欲しいな。そうもっともっともやってほしかった。

限られた時間のなかで、最大限、描き切った今回のドラマですが、まだまだ足りない。そう一番思っているのは三谷幸喜さんでしょう。今回ちょっとだけ出ていた二人。高山彦九郎林子平

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「寛政の三奇人」として並び称されるこの二人は『風雲児たち』の前半の大主役ですが、これも描きたくて三谷幸喜さんはウズウズしているはず。ぜひ続編をお願いいたします!新年早々、素晴らしいドラマ&素晴らしい挑戦を見させていただき幸せでした。

今年の振り返り&来年の抱負

今年最後のエントリーなので、ちょっと振り返りを。

今年も本が2冊出せました。

くらべる時代 昭和と平成

くらべる時代 昭和と平成

 

3月に出た『くらべる時代』は、平成が終わることが正式に発表され、これから平成回顧ブームがくることを見越して出した一冊なので、まだまだこれから宜しくお願いしますね^^ それにしても5月の陽気のなか、崩御なく元号が変わるってどんな感じなのでしょうか。平成、昭和と、これから歴史についていろいろ考える契機が増えるといいですね。

くらべる値段

くらべる値段

 

 8月に出た『くらべる値段』は「適切な値段のものを買おう」というメッセージが伝えられたらと、高いもの、安いものを比較したという一冊でした。北村薫先生からお褒めのことばをいただくなど、各所でよい評価をいただき嬉しく思っております。

この東京書籍から出ている『目でみることば』シリーズ、来年も刊行予定で2月に『くらべる世界』が出ます!世界の意外な違いを山出カメラマンと激写しまくっていますので、楽しみにしていてください。「異文化理解」「おもてなし」にも絶好の一冊になるはずです。

 

毎年、発表している「嫉妬本」大賞ですが、あまりに売れてしまったのでひっそり紹介。

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

 

 愚直なメッセージ。子供にしっかり伝える。そんな本が広く読まれる土台になればなと思います。

 

来年は、本だけでなく、サイトなどでも新しい展開を考えております。

ぜひおつきあいくださいませ。

 

1月1日は正月時代劇『風雲児たち』

明日、1月1日のNHK総合午後7時20分から正月時代劇『風雲児たち』の放送があります。みなもと太郎原作の大河ギャグ漫画『風雲児たち』を三谷幸喜さんが脚本で初のドラマ化。面白くないわけないのであります!

f:id:okataco:20140324153114j:plainこれは『解体新書』が完成したときの名場面。どんな風に再現されているのか実に楽しみです。

以下、番組サイトですが、キャスティングも素晴らしいなー。

www.nhk.or.jpこれは僕の予想ですが、明日のドラマが好評ならば、きっと続編も放送あるはず。幕末を描くために、関ヶ原から描き始めたために、1979年の連載開始から30年以上経った今なお描き続けられているという偉大な漫画。うちの息子も大好きですが、子供たちに歴史を知ってもらうためにも最適な一冊です。ぜひ明日のドラマぜひご覧ください。そして面白かったらぜひ漫画もどうぞ。

風雲児たち?蘭学革命篇?

風雲児たち?蘭学革命篇?

 

 明日のドラマ放送分だけを収録した特別バージョンもあります。ガイドブックもありますよ。

風雲児たちガイドブック 解体新書 (SPコミックス)

風雲児たちガイドブック 解体新書 (SPコミックス)

 

そういえば来年3月に高知県で行われる「まんがで読む!幕末維新展」でみなもと先生がトークショーをされるのですが、その聞き手で僕もお伺いすることになりました。申し込み詳細以下にありますので、興味のある方ぜひ。僕も大変楽しみにしております。

北村薫さんが『くらべる値段』を選んでくださいました

そういえば嬉しい報告がありました。今、店頭に並んでいる『本の雑誌』が「2017年度ベスト10」特集なのですが「私のベスト3」コーナーにて直木賞作家の北村薫さんが『くらべる値段』を3位に選んでくださいました。

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《本でなければ出来ないことをやっている。高いものや安いものを笑うのではなく、その値段の意味、それぞれの良さをきちんと語っている真っすぐな姿勢が心地よい。》
このコメントは「本でなければ出来ないこと」ってもっと広いんだよというメッセージにも感じます。額装して一生残しておこう。

僕には「人が死なないミステリーを出す」という目標があるんですが、この源泉となったのが北村薫さんの『空飛ぶ馬』という作品です。そんな目標にする方に褒めていただき、視界がパッと開けた思い。感謝感謝。頑張ろう。

本の雑誌415号2018年1月号

本の雑誌415号2018年1月号

 
空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

 
くらべる値段

くらべる値段

 

『残像に口紅を』を『似ている英語』で紹介していたコラム

昨日、書店に立ち寄ったら「話題の本のコーナー」に筒井康隆さんの『残像に口紅を』を見つけました。大きく平積みされていたのですが、「アメトーク」で話題になったようですね。実はこの本、2015年の6月に出した『似ている英語』という本のなかの『「コーヒーいかが?」で覚える円周率〜英語の不思議なことば遊び〜』というコラムの中で紹介したことがあります。なぜ「英語」とこの本がリンクしたのか……ちょっと当時の原稿を紹介してみますね。


「May I have a large container of coffee?」
 直訳すれば「コーヒーを大きい器で1杯いただけますか?」ってことなのですが、これは英語流の「円周率の覚え方」なんです。と、説明されてすぐにわかった人はかなり鋭い。多くの人は、これでどうやって円周率を覚えるのかわからないでしょう。
 答えをいうと、Mayはアルファベット3語で「3」。Iはアルファベット1語で「1」。haveはアルファベット4語で「4」……を意味しています。つまりこのフレーズで「3・1415926」を表しているというわけ。
 率直にいえば、あまり便利とも思えない不思議な覚え方なのですが、0を10文字で表現しつつ740桁に及ぶ文章を作った人もいるそうですから、それなりにポピュラーな手法なのでしょう。
 もうひとつ「不思議だな」と感じたものに「リポグラム」ということば遊びがあります。これは、特定のアルファベットを使わないというルールのもとに文章を作るというもの。もっとも有名なのは、アメリカの作家アーネスト・ヴィンセント・ライトが書いた『ギャズビー』という小説で、アルファベットでもっとも使用頻度が高いという「e」を、5万にも及ぶ物語を構成する単語に一語たりとも用いていないといいます。
 ただ、どれほどスゴいのか、今ひとつわかりにくい。そこで、同じようなことを日本でもやっている人はいないかと探したところ筒井康隆さんの『残像に口紅を』(中公文庫)という小説に出会いました。
 これは「リポグラム」のように、特定のことばを使わないのではなく、物語が進行するにつれて「使えることば」がどんどん減っていくという小説です。
《言語が消滅してゆく世界で、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家…ついに書かれた究極の実験的長篇》。これは単行本に添えられた帯のコピーですが、このように主人公は一人の小説家。「あ」ということばが消えたなら、「あ」のつくモノや人が消えるだけでなく、文中に「あ」ということばを使うこともできなくなるのです。正直、物語が面白いというよりも「よくこんなことに挑戦したな」という驚きのほうが強いのですが、他に類を見ないことだけは保証しますので、気になる方は一度手にとってみてください。ちなみにこの小説で、いちばん最後に消えた文字は何だと思いますか? 

この『残像に口紅を』の巻末には、一度使ったことばを本当に使っていなかったのかといった検証も含まれていて、この文庫自体が壮大な実験場のような様相になっています。とにかくすごい本!

残像に口紅を (中公文庫)

残像に口紅を (中公文庫)

 

 『似ている英語』も、おかげさまで発売から版を重ねて広く読んでいただいています。「manyとmuch」「highとtall」など似ている英語の違いが美しい写真で学べる一冊になっていますので、機会あればお手にとってくださいませ。

似ている英語

似ている英語

 

 

「生七味」と「当たり前田のクラッカー」

昨日、経堂「さばのゆ」で行われた「くらべる忘年会」ご参加くださったみなさんありがとうございました! 「やまや」さんが、提供くださった上等の明太子や、経堂の名居酒屋「らかん茶屋」のマスターが持参くださった「上等のマグロ&イカ」の刺身など、美味しい食べくらべ。意外なものにも感動したのですが、そのひとつがクラッカー食べくらべで、店主の須田さんが用意してくださった前田のクラッカー。 

前田のクラッカー

前田のクラッカー

 

 「当たり前田のクラッカー」のフレーズで超有名な商品ですが、味わいは実に上品、上質。初めて食べたのですが、これから愛用しよう。あと、お土産にと持参いただいた「生七味」って鮮烈!

【大竹特産ゆめ倶楽部】ちょこっと贅沢 生七味80g

【大竹特産ゆめ倶楽部】ちょこっと贅沢 生七味80g

 

 これかなー。七味マニアとしては「なぜ今まで知らなかった」と悔しいほどの旨さでした。以前『くらべる東西』で、七味も関東と関西で味が違うことを書きましたが、生七味もきっと地域性があるに違いない。これから旅先で見つけるたびに買っちゃいましょう。