「久米宏のラジオなんですけど」出演後、大きな反響をいただいております。もう10年ほど前に作った『目でみることば』が、こんなに注目していただいて、本当に嬉しいかぎり。久米さんもすごく楽しんでくださってとても嬉しかったなぁ。そこで、これから数回に渡って僕のお気に入りの「目でみることば」を、ご紹介していきたいと思います。
第一回は『目でみることば2』で紹介した「けりを付ける」です。
「けりを付ける」。その意味は「決着を付ける」ことですが、その語源をご存知でしょうか。個人的に「けり」ということばから「アチョー!」と何かを蹴り上げているようなことだと思ったのですが、これが実に意外なことに、古文や俳句などにおいて文末に「なりにけり」など、助動詞の「けり」を付けて終わらせることが多いことに由来するのです。
なんと意外で楽しいのでしょうか。ぜひ紹介したいと思ったのですが「ことばの由来を写真に撮る」というコンセプトからすると、とても扱いづらい題材です。紙にそんなことばを書いて撮ってもまったく面白くないですからねぇ。
ただ、ここでひらめいたのは「歌碑」を撮影してはどうかというアイデア。きっと「けり」で終わる歌碑が探せばあるはず! と探し始めたのですが、これがなかなかありません。あっても彫りが薄くなっていたり、あまりに遠方だったり……。でも諦めずに探した結果、見つけたのがこちらです。
東京都板橋区の石神井川沿いの公園のこの歌碑、見事に「けり」で終わっています! 正岡子規の代表的な俳句のひとつですが、よくぞあってくれたものだと、見つけたときは感動しました。「けりを付ける」という言葉の語源と、一見まったく関係なさそうなところが、お気に入りポイントですよ。
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あと、こういった語源の話はスライドを使って、たくさんご紹介できます。日本文藝家
協会の講演やブックカフェでもたいへん好評をいただきました。予算、相談に応じますので、メール<spoonbooks-to@yahoo.co.jp > まで気軽に問い合わせくださいませ。