おかべたかしの編集記

執筆・編集の記録とお知らせと。

9月23日、文芸トークサロンに登壇します

9月23日(金)の午後6時から、文藝家協会のお招きで文芸トークサロンに登壇します。声をかけていただいたのは、これで3回目になります。1回目は「目でみることば」2回目は「似ている英語」がテーマでしたが、今回は「くらべる東西」ということで、東と西の違いを、本に未掲載の新ネタも含めてご紹介します。詳細と申し込みは以下のリンクにどうぞ。

イベント情報 | 日本文藝家協会

またいつものようにワインとビールを飲みながらのゆるりとした会で、関西出身のゲストも登壇予定だとか。お時間合いましたら麹町の文藝春秋ビルにお集りくださいませ。参考図書は、以下ですよ^^

くらべる東西

くらべる東西

 

きっと教科書で見た「大政奉還」が飾られている「聖徳記念絵画館」のオフィシャルガイド発売!

昨日、お話をいただき一年ほど制作に携わっていた『聖徳記念絵画館オフィシャルガイド〜幕末・明治を一望する〜』が発売になりました。

聖徳記念絵画館オフィシャルガイド: 幕末・明治を一望する

聖徳記念絵画館オフィシャルガイド: 幕末・明治を一望する

 

 この表紙にもなっている神宮外苑、国立競技場の近くにあるこの建物を見たことがある人は多いと思います。しかし、国会議事堂とよく間違われる荘厳な外観ゆえ、入れないと思っている人も多いのですが、500円払えば誰でも入ることができます。
神宮球場などを有する神宮外苑は、明治天皇崩御後に造成されたのですが、この中心施設がこの絵画館。名前の通り「絵画」が飾られているのですが、その絵画は明治天皇の誕生から崩御までの歴史を当代の画家76人が描いたもので、1点の大きさは縦3メートル×横2.7メートル、総点数80点にもなります。そして普通の美術館と異なり、この80点の絵画を飾ることを目的に建てられたというのが、この絵画館の大きな特徴です。

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そしてこの写真の「大政奉還」など多くの人が「見たことある!」という作品が多いのですが、それがこの絵画館にあることは、ほとんど知られておらず、またこの絵画館がどのようにして造られたのかも、ほとんど知られていません。
そこでこの本は、この絵画館をもっともっと知ってもらいたいという願いから制作されました。またこの聖徳記念絵画館が、今年、90周年を迎えるにあたり、10月22日から11月20日まで特別展が開催されるので、そこに少しでも多くの方に来てもらえればという願いも込められています。特別展の詳細については、以下のサイトをご覧ください。

それでこの本、なんと持参すると、入館時に必要な500円が不要になるというお得なサービス付き。幕末から明治に興味のある方。明治天皇とその皇后である昭憲皇太后をもっと知りたい方。近代建築に興味のある方などなど、オールカラーで1200円とお買い得ですので、ぜひ手にとってみてください。

9月11日に京都丸善本店でトーク&サイン会

9月11日の日曜日、京都にある丸善本店で午後2時からトーク&サイン会をさせてもらうことになりましたので、お知らせです。詳細、以下になります。

事前予約(整理券入手)が必要なようですので、よろしくお願いします。

トークでは、本の制作裏話と、新たなる東西新ネタ、『目でみることば』シリーズの新作情報の紹介と、ちょっとしたプレゼント企画なども考えております。みなさんとワイワイやりながらの楽しい会にしたいと思いますので、楽しみにしていてください^^

会場となる丸善本店さんの情報はこちら。

ゆっくり本を選ぶ楽しみのある素敵な本屋さん。

梶井基次郎の小説『檸檬』の舞台となった丸善 京都支店は、1907(明治40)年に開設された京都・三条通麩屋町の店舗でした。その後、河原町通蛸薬師へ移転し長らく営業を続けて参りましたが2005年に閉店。閉店時には、閉店を惜しむお客様が本の上に檸檬を置く様子も話題となりました。 その丸善が、「丸善 京都本店」として河原町に戻って参りました。 豊富な和書の品揃えに加え、カフェ・洋書・文具にも力を入れ、幅広い顧客にご利用いただける書店です。

カフェも素敵で、檸檬をモチーフにしたデザートもありますよ。

京都に行ったら「東華菜館」

お盆休み帰省中の京都で、高校の同窓生たちと「東華菜館」に行ってきました。

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場所は、四条通り鴨川の南西。ヴォーリズが設計した実に存在感ある建物で美味しい中華がいただけます。しかも、今回は床なのさ〜^^

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四条大橋の上から見る床は、なんか暑そうで「中で食べたほうが涼しいんちゃう?」なんて感じもするのですが、この日はうまい具合に宴会スタートの直前にダッと雨が降ったので心地よかった。

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料理も美味しいんですよ。この春巻き、なんなのー!って感じで旨かったです。

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大人の宴会って、食事が余るものですが、ぜーんぶなくなってたね。

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チャーハンも旨いに決まってるよね〜。あと、写真ないけど水餃子も旨かったです。

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高校時代のよき仲間たち。また会いましょう!

*そういえば「くらべる東西」で撮影させてもらった竹殿湯で一風呂浴びてきました。番台にあるビアサーバーから注いでもらう生ビールがとても美味しかったと報告しておきます。また行きたい。

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オリンピックでも注目したい「似ている国旗」の話

もうすぐオリンピック開幕!ということで今日は「似ている国旗」のお話をします。オリンピックの開会式などで、世界の国旗を見ていると、なんか似ているものが多いですよね。とくにアフリカの国旗が似ていて「ややこしい」と感じる人が多いと思いますが、これは意図して似たものになっているのです。

お手本になったのは、エチオピアの国旗です。アフリカに現存する最古の独立国といわれるこの国の国旗は、「緑・黄・赤」に星のマークがデザインされていますが、1957年、イギリスから独立したガーナがこれを真似たことから、その後、ヨーロッパ諸国から独立したアフリカの国々がこれに倣ったのです。それゆえ、アフリカの多くの国がこの「緑・黄・赤」を使っており、この3色は「アフリカンカラー」と呼ばれるようになりました。また、フランスから独立した、ギニア、セネガル、マリは、このアフリカンカラーを使いながらも、縦に3色を配したフランスの国旗の形にも倣っています。ここからは、独立してからもフランスと良好な関係でいたいという、この3国の考えが見て取れるといいます。

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たしかにソックリですが、こんな図で見ると、理解しやすいのではないでしょうか。

この「アフリカンカラー」のように、同じような色を使っている国旗群は、他にもあります。アラブ首長国連邦イラク、クェート、シリアなどの中東諸国には、「赤・白・黒・緑」を使った国旗がありますが、これは「アラブの色」と呼ばれるもので、アラブ民族に向けて協調を呼びかけているといいます。

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またクロアチアスロバキアチェコ、ロシアなどが使っている「赤・青・白」の3色は「スラブの色」と呼ばれ、スラブ語を話すスラブ人の国家であることを意味しています。

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このあたりも「ややこしい」ですが、これも意図して同じ色を使っていたのです。

色だけでなく、形にも意味があります。ウズベキスタン、トルコ、マレーシア、モーリタニアなどの国旗には「三日月と星」が描かれていますが、これはもともと巨大帝国を築いたオスマントルコの旗に使われていたもので、これがイスラム教のシンボルとなっています。よって、この「三日月と星」を国旗にあしらった国は、みんなイスラム教の国なのです。

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なかなかウズベキとトルコとモーリタニアの共通性って、見出せないですよね。

これと同じ理屈で、イギリス、ジャマイカ、スイス、デンマークなど、国旗に「十字」が見てとれる国は、キリスト教の国です。

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このジャマイカの国旗も「十字」だとは意外ではないでしょうか。

このように色や形に注目すると、似ていてややこしいと思う世界の国旗も整理して理解できるはずです。ぜひオリンピックの開会式では、国旗に注目してみてください。「似ている国旗」の話は他にもたくさんあるので、これも夏休みの自由研究になるかもしれませんね。

この「似ている国旗」の話は、以下の本に書いたものです。興味ある方はご覧くださいませ。

似ていることば

似ていることば

 

自由研究に「似ていることば」も、いかがですか?

先週、こんな記事を書いたら

多くの人に読んでもらったので「自由研究のモチーフ第二弾」として「似ていることば」をご紹介したいと思います。こっちのほうが「目でみることば」よりも簡単かもしれません。

要するに「似ていることば」「似ているもの」を取り上げて「何が違うのか?」を調べていくわけです。たとえばこんなの。

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似ていることばの「あふれる」と「こぼれる」。この違いはなんだろうと調べると「あふれる」が「いっぱいになってから流れ落ちる」で「こぼれる」が「傾いたり揺れたりしてから流れ落ちる」ということがわかります。そしてもうちょっと調べると感情が一杯になって流れる涙が「あふれる」で、ふと流す涙は「こぼれる」と使い分けることがわかる。ここまで調べられれば100点でしょう。

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池と湖はどう違うかというと、これは大きさの違い。では沼ってどんなの? と調べていくと、これはこれでかなり難しかったりします。

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「果物」と「野菜」はどう違う? これは定番ですが、けっこう面白い。いろんな説がありますが、僕は「果物」は「木(く)の物」が変化したする「果物=木になるもの」説が妥当な気がしています。

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カレイとヒラメはどう違う? これは餌が違うので、口が可愛いのがカレイで、口が怖いのがヒラメと見分けられる。この見分け方というアプローチでネタを選ぶのも楽しいかも。

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フクロウとミミズクはどう違う? これはミミズクには、耳に「羽角」という羽があるんですね。ただ耳に見えるけれど耳じゃありません。

このように「似てることば」「似てるもの」を探して、その違い、見分け方を調べていく。やりやすい研究じゃないかな。以下、参考にしてください。

似ていることば

似ていることば

 

 英語でもできますよ。中学生からはこちらもいいかも。日本では同じ「カメ」でも、英語では違う。このあたりの似ている英語を調べると面白いですよ。以下の本を参考にしてください。

似ている英語

似ている英語

 

夏休みの自由研究に「目でみることば」いかがですか?

いよいよ夏休みですが、夏休みといえば「自由研究」。子どもの頃は、ひたすら面倒という印象ばかりですが、大人になってみると、なんか楽しそうだし、自分もやってみたいと思う人も多いのではないでしょうか。かくいう僕もそうでして、まあ、企画たてて本を作るなんて、ずっと自由研究をやっているようなもので、いわば自由研究が僕の仕事かもしれません。

さて、そんな自由研究を生業としている僕からのお勧め自由研究は「目でみることば」。発刊後、いろんな方からも「これ、子どもの自由研究にいいですね」と言っていただいたので、その概要とコツをちょっとまとめてみます。

まず、『目でみることば』とはなんぞやというと、たとえば「引っ張りだこ」ということばが「人気のあること」を意味するということは、小学生でも知っているでしょう。でも、「引っ張りだこってどんなタコ?」となると、先生でも知らないのではないでしょうか。それはこんなタコです。

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 また、たとえば「試金石」ということばが「実力を推し量るもの」という意味であることは、これまた小学生でも知っているでしょうが、「ではそれはどんな石?」と問われると、なかなか知らない。それはこんな石です。

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これに金をこすりつけ、その痕で金の純度を判定するのです。

またまたたとえば「調子に乗って度を過ごす」ことを「羽目を外す」といいますが、この「羽目」とはなにかといえば、こんなものです。

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これ馬の口にくわえさせるものなんですよね。

このように、日常、何気なく使っていることばの「元となったもの」に意識を向けて、その姿を写真に撮ってみる。これが「目でみることば」です。

上記の3点は、写真に撮って面白いものを選んでおり、なかなか子どもたちが、ここまで撮れないかもしれません。ただ、もっと身近なものにも「目でみることば」はあります。たとえば「松葉杖」と言いますが、この松葉とは何か?

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このように、まさにそのまま松の葉なのですが、たしかに枝が二股に分かれている。意外とこういうところに意識って向いてないですよね。

他にも、写真に撮れずとも、調べれば面白いことばの不思議はたくさんあります。

たとえば「茶色」っていうけど、茶は緑のような気がするけど、なぜあんな色を指すのか?

「茶色」はお茶の色!?|小野園コラム ちょっと一服話

 調べると、上記のような答えが出てきて、けっこう意外。「椎茸」の「椎」とはなに?「杏仁豆腐」の「杏仁」って何? 「葛藤」ってなぜ葛と藤が出てくるの?

こういった素朴な疑問を集めていくと、きっと面白い自由研究ができると思います。ことばが好きな子どもたち、挑戦してみてはいかがでしょうか。

より詳しく知りたい方は、下記の本を参照ください。

目でみることば

目でみることば

 
目でみることば 2

目でみることば 2

 
目でみることば 有頂天

目でみることば 有頂天

 

 子ども向けの「ずかん」もあります。

目でみることばのずかん

目でみることばのずかん